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GOLDEN RETRIEVER

ゴールデン・レトリバーの特徴とかかりやすい病気

家庭犬の代表格。腫瘍・股関節・心臓(大動脈弁下狭窄)など、大型犬ならではの健康管理が大切です。

ゴールデン・レトリバーは家庭犬の代表格として世界中で愛される犬種です。優しく人懐こい性格の一方、大規模な研究では腫瘍(がん)が死因として多いこと、そして大型犬ならではの関節や心臓の負担が知られています。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、若いうちから知って備えることで、その子との時間を長く豊かに支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 大型犬で上位

穏やかで賢く、家族の一員として長く暮らすゴールデン・レトリバー。使役犬・介助犬としても活躍する優れた犬種ですが、健康面では「大型犬の体格」と「腫瘍のかかりやすさ」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、ゴールデンで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

ゴールデン・レトリバーってどんな犬?

19世紀のスコットランドで、撃ち落とした水鳥を回収する猟犬として作られた犬種です。体重は25〜35kg前後。金色の豊かなダブルコートは水をはじき、その分だけ換毛期の抜け毛もたっぷりです。

性格の傾向

温和で人が大好き。初対面の人にもフレンドリーで、子どもにも寛容なことが多い犬種です。学習意欲が高く、介助犬や災害救助犬としても活躍します。人と一緒に何かをする作業が、この犬種の喜びです。

暮らし方・お手入れ

毎日しっかりした運動時間を確保してください。水遊びが大好きな子が多く、泳ぎも得意です。ブラッシングは週数回、換毛期は毎日。垂れ耳で、水に入ったあとは外耳炎を起こしやすいため、耳の乾燥を意識します。食欲旺盛なので体重管理も忘れずに。

ここがたまらない

いつも何かをくわえて持ってくる回収犬の名残。笑っているように見える口元。大きな体で膝に乗ろうとする、体格に見合わない甘え方。おおらかさに救われた、というご家族の声をよく聞く犬種です。

02

とくに知っておきたい好発疾患

血管肉腫

Hemangiosarcoma

血管の細胞から発生する悪性腫瘍で、脾臓・心臓・皮膚などにできます。ゴールデンは剖検研究で腫瘍死の多くを占めると報告される、この犬種で最も注意したいがんの一つです。脾臓や心臓の腫瘍は破裂して急な貧血・虚脱を起こすまで無症状のことがあり、「急に元気がない」「歯ぐきが白い」「お腹が張る」は見逃せないサインです。中高齢では腹部エコーを含む健診が早期発見に役立ちます。

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リンパ腫

Lymphoma

リンパ球ががん化する血液のがんで、ゴールデンで比較的多くみられます。あごの下・脇・膝の裏などのリンパ節が左右対称に腫れるのが典型的なサインです。痛みを伴わないことが多く、しこりに気づいて受診されるケースが少なくありません。治療への反応がよいタイプもあるため、体をなでる習慣のなかでリンパ節の腫れに早く気づくことが大切です。

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肥満細胞腫

Mast Cell Tumor

皮膚にできる代表的な悪性腫瘍で、レトリバー系で発生が多いとされます。見た目は「良性のできもの」に似ていることもあり、大きさが変わる・赤くなる・触ると腫れが増すといった変化が特徴です。自己判断で「様子見」にせず、皮膚のしこりは早めに検査(細胞診)することが、適切な治療への近道になります。

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股関節形成不全

Hip Dysplasia

成長期に股関節がゆるく形成され、痛みや歩様異常、将来の関節炎につながる発育性の整形疾患です。大型犬で好発し、ゴールデンも例外ではありません。「腰を振るように歩く」「立ち上がりや階段を嫌がる」「運動後に足を気にする」はサインの一つ。急成長期の過度な運動や肥満はリスクを高めるため、体重管理と適切な運動量が予防の鍵です。

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前十字靭帯断裂

Cranial Cruciate Ligament Rupture

膝関節を安定させる靭帯が傷む・切れる病気で、大型犬の後ろ足の跛行の代表的な原因です。ゴールデンは交雑種と比べて発生が多いと報告されています。急に後ろ足を挙げる・着かなくなる、慢性的に片後ろ足をかばう、といった様子がみられます。体重管理と滑らない床環境が負担軽減につながります。

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甲状腺機能低下症

Hypothyroidism

甲状腺ホルモンが不足し、代謝が落ちる中年期以降の内分泌疾患で、ゴールデンは好発犬種として知られます。「なんとなく元気がない・太りやすい・寒がる・左右対称に毛が薄くなる・皮膚が黒ずむ」など、加齢と見分けにくい症状が特徴です。血液検査で診断でき、治療で生活の質が大きく改善することが多い病気です。

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03

見逃したくない初期サイン

しこり

体表のできもの・リンパ節の腫れ

貧血

急な元気消失・歯ぐきが白い・お腹の張り

関節

立ち上がりや運動を嫌がる・後ろ足をかばう

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。とくに急な虚脱・お腹の張りは緊急性が高いため、迷わずご連絡ください。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1適正体重を保つ

    肥満は関節・心臓・多くの病気の増悪因子です。ボディコンディションを定期的に確認し、おやつを含めた食事量を管理します。大型犬は体重の影響が大きいぶん、体重管理の効果も大きい犬種です。

  2. ステップ2関節にやさしい環境と運動を

    フローリングには滑り止めのマットを敷き、急成長期の過度なジャンプや長時間運動は控えめに。適度な運動で筋肉を保つことが、股関節や前十字靭帯を守ります。

  3. ステップ3胃拡張捻転(GDV)を予防する

    早食い防止用の食器を使う、一度に大量に与えず食事を分ける、食後すぐの激しい運動を避ける、といった工夫がリスク軽減につながります。お腹の張り・空えずきは緊急のサインと覚えておきましょう。

  4. ステップ4月1回、体表のしこりチェックを

    全身をなでながら、しこり・リンパ節の腫れ・左右差を確認します。見つけたら大きさや場所をメモ(写真)し、早めに受診を。早期発見が腫瘍の選択肢を広げます。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    中高齢では血液検査に加え、腹部エコー・胸部の評価・心臓の聴診を組み合わせると、無症状の腫瘍や心疾患を早く捉えられます。シニア期は年2回の健診もおすすめです。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ゴールデンのように穏やかで人と深く関わる犬種だからこそ、腫瘍・関節・心臓を若いうちから一緒に見守り、いざというときの選択肢を最大化していきます。「なんとなくいつもと違う」——その感覚こそが早期発見の入り口です。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

ゴールデン・レトリバーで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

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Q&A

よくあるご質問

ゴールデンを迎えました。若いうちから何に気をつければいいですか?
大型犬なので、まずは「関節(股関節・前十字靭帯)」と「適正体重」、そして「胃拡張捻転(GDV)の予防」がポイントです。急成長期の過度な運動や肥満は関節に負担をかけます。滑りにくい床、食後すぐの激しい運動を避ける、早食いを防ぐ工夫が有効です。あわせて、この犬種は腫瘍の早期発見が生涯を通じて重要になるため、月1回の体表しこりチェックと年1回以上(シニア期は血液・画像を含む)の健康診断を習慣にしましょう。
ゴールデンは「がん」が多いと聞いて不安です。本当ですか?
統計的に腫瘍による死亡が比較的多い犬種であることは事実です。ただし過度に恐れる必要はありません。大切なのは早期発見です。体表のしこり、急な元気・食欲の低下、歯ぐきや舌が白い(貧血)、お腹が張る、といったサインに早く気づけるよう、日頃の観察と定期健診を続けてください。気になる変化があれば、小さなことでも担当獣医師にご相談ください。
急にお腹が張って、よだれを垂らして苦しそうです。様子を見てよいですか?
様子を見ないでください。お腹が急に張る・落ち着かない・空えずき(吐こうとして吐けない)・よだれ——これらは胃拡張捻転(GDV)という命に関わる緊急事態のサインの可能性があります。深い胸をもつ大型犬に多く、発症すると数時間を争います。夜間でも、すぐに受診できる動物病院へ連絡してください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。