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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

GASTRIC DILATATION-VOLVULUS

犬の胃拡張捻転症候群(GDV・胃捻転)

吐こうとして吐けない・急にお腹が張る——大型犬に多い、数時間で命に関わる救急です

胃拡張捻転症候群(GDV)は、胃がガスで大きくふくらみ、さらにねじれてしまう病気です。ゴールデン・レトリバーやラブラドールなど、胸の深い大型犬に多くみられます。ねじれた胃は血液の流れをせき止め、ショック・臓器障害へと一気に進むため、発症から数時間で命に関わります。「様子を見る」時間はありません。疑ったら、すぐにご連絡ください。当院は、いざというときの救急対応と、起こさないための予防の両面から支えます。

  • 救急・集中治療科
  • 緊急

この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。

とくに気をつけたい犬種・猫種

好発(かかりやすい傾向)が知られている犬種・猫種です。必ずかかるわけではありません。

01

病気の概要

胃拡張捻転症候群(いかくちょうねんてんしょうこうぐん、Gastric Dilatation-Volvulus:GDV、「胃捻転」とも)は、**胃がガスや液体で大きくふくらみ(胃拡張)、さらに軸を中心にねじれてしまう(捻転)**病気です。ふくらんでねじれた胃は、出口も入り口もふさがれてガスが抜けなくなり、同時に全身の血液の流れをせき止めて、短時間でショックと多臓器の障害を引き起こします。

胸が深く大きい大型・超大型犬に多くみられ、獣医療でもっとも緊急性の高い救急疾患のひとつです。治療を行っても、報告によりおよそ10〜30%が命を落とすとされる、油断のならない病気です。だからこそ、当院は「起きたときの一刻も早い対応」と「そもそも起こさないための予防」の両方を大切にしています。

数時間

発症から命に関わるまでの時間。救急対応が予後を左右する

空えずき

吐こうとして吐けない——GDVの最も特徴的なサイン

大型犬

胸の深い大型・超大型犬にとくに多い

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なぜ危険なのか ― 体の中で起きていること

GDVが恐ろしいのは、「胃がふくらむ」だけの病気ではなく、全身の血液の巡りを一気に破綻させるからです。

STEP 1

胃がガスでふくらむ(胃拡張)

胃にガスや液体がたまって大きくふくらむ。この段階で、そわそわ・空えずき・お腹の張りが現れる。

STEP 2

胃がねじれる(捻転)

ふくらんだ胃が軸を中心にねじれ、入り口と出口が閉じる。ガスが抜けなくなり、胃はますます張っていく。脾臓も一緒にねじれることがある。

STEP 3

血液の流れがせき止められる

巨大化した胃が、体の大きな血管(後大静脈・門脈)を圧迫。心臓へ戻る血液がせき止められ、全身の血圧が下がってショックに陥る。ねじれた胃の壁自体も血流を失い、壊死が始まる。

STEP 4

ショック・多臓器障害

不整脈、胃壁の壊死、脾臓の障害、血液が固まりにくくなる状態(DIC)などが連鎖し、複数の臓器が短時間でダメージを受ける。時間との勝負になる。

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好発犬種・リスク因子

犬種(体型)に加えて、次のような要因がリスクを高めるとされています。

  • 血縁にGDVを起こした犬がいる(第一度近親)……遺伝的な素因が指摘されています。
  • 高齢……年齢とともにリスクが上がります。
  • 痩せ気味の体型
  • 早食い1日1回のまとめ食い(大量を一度に食べる)。
  • 食事の前後の激しい運動・興奮
  • 不安が強い・神経質な性格

04

症状・気づき方

GDVは進行が速く、初期のサインを見逃さないことが命を分けます。次のような様子は、緊急のサインです。

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診断・治療 ― 一刻を争う救急対応

来院後は、全身のショックへの対応と、胃の減圧・整復を並行して進めます。GDVでは、診断を待ってから治療を始めるのではなく、命を守るための処置と検査を同時に行います。

  1. ステップ1ショックへの緊急対応(輸液)

    まず点滴で血圧と血液の巡りを立て直し、ショックに対応します。あわせて心臓のリズム(不整脈)や全身状態をモニタリングします。

  2. ステップ2胃の減圧(ガスを抜く)

    チューブや針で胃にたまったガスや液体を抜き、ふくらんだ胃による血管の圧迫をやわらげます。全身状態を安定させるための重要な処置です。

  3. ステップ3レントゲンによる確認

    お腹のレントゲンで、胃の拡張とねじれ(捻転)を確認します。ねじれた胃に特徴的な像(区画化した「double bubble」像など)で診断します。

  4. ステップ4外科手術(整復と胃固定)

    全身状態を安定させたうえで、開腹してねじれた胃を元に戻します。胃や脾臓のダメージの程度を確認し、必要なら傷んだ部分を処置。再発を防ぐため、胃をお腹の壁に固定する胃固定術(胃壁固定術)を行います。

  5. ステップ5術後の集中管理

    術後は、不整脈・臓器障害・血液凝固の異常(DIC)などの合併症に備え、入院でモニタリングと集中的な管理を続けます。

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予防 ― 起こさないための備え

GDVは進行が速く、起きてしまうと命に関わります。だからこそ、当院は「起こさない工夫」を大切にしています。予防には、日常の管理と、外科的な予防(胃固定術)の2つの柱があります。

日常でできる工夫

  • 1回量を減らし、1日2〜3回に分ける……一度に大量に食べさせない。
  • 早食いを防ぐ……早食い防止用の食器やパズルフィーダーを使う。
  • 食事の前後1時間ほどは激しい運動・興奮を避ける
  • 高い台での給餌(高所給餌)は一律にはすすめない……かえってリスクを高めるとする報告があります。

外科的な予防 ― 予防的胃固定術

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夜間・救急のご案内

当院の診療時間終了後(夜間)に急変した場合は、下記の提携夜間救急病院へ直接ご連絡ください。 昼の休診時間や休診日の日中は、当院で対応できる場合がございますので、まずは当院まで一度ご連絡ください。

当院への電話 03-3788-4688

当院提携の夜間救急病院

※ 記載の対応時間・連絡先は変更される場合があります。受診前に各院の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

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Q&A

よくあるご質問

どんなサインが出たら、すぐ病院に行くべきですか?
「吐こうとするのに何も出ない(空えずき)」「お腹が急に張って硬くなる」「そわそわ落ち着かない・立ったり座ったりを繰り返す」「よだれが大量に出る」「呼吸が速く苦しそう」——これらが重なったら、GDVを強く疑う緊急事態です。とくに大型犬でこれらのサインが出たときは、様子を見ずに、すぐにご連絡のうえ来院してください。GDVは発症から時間が経つほど救命率が下がるため、「おかしい」と思った時点での行動が命を分けます。夜間であれば、当院の診療時間外の連絡先や提携夜間救急病院へすぐご連絡ください。
なぜそんなに急を要するのですか?
GDVでは、ふくらんでねじれた胃が、体の大きな血管(後大静脈や門脈)を圧迫し、心臓へ戻る血液の流れをせき止めてしまいます。その結果、全身の血液の巡りが破綻してショックに陥ります。同時に、ねじれた胃そのものへの血流も止まり、胃の壁が壊死(え死)し始めます。さらに、脾臓のねじれ、不整脈、血液が固まりにくくなる状態(DIC)などが連鎖し、複数の臓器が短時間でダメージを受けます。だからこそ、GDVは「数時間の勝負」であり、一刻も早い減圧・輸液・手術が必要になります。
どんな犬がなりやすいですか?
胸が深く大きい大型・超大型犬に多くみられます。グレート・デーン、ジャーマン・シェパード、スタンダード・プードル、ワイマラナー、セター種、そしてゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーなどです。血縁にGDVを起こした犬がいる、痩せ気味、高齢、早食い、1日1回のまとめ食い、食事前後の激しい運動、不安が強い性格、といった要因もリスクを高めるとされます。小型犬でもまれに起こります。該当する子では、サインを知っておくこと、そして次の質問にある予防(胃固定術)を知っておくことが大切です。
予防はできますか?「胃固定術」とは何ですか?
はい、外科的な予防法があります。胃固定術(いこていじゅつ、胃壁固定術)は、胃の一部をお腹の壁に縫い付けて固定し、胃がねじれる(捻転する)のを防ぐ手術です。予防的に胃固定を行うと、GDVによる生涯の死亡リスクを大きく下げられることが報告されています。避妊・去勢手術など、他の開腹手術と同時に行うことができ、腹腔鏡を用いた負担の少ない方法もあります。なりやすい犬種を迎えたご家庭では、選択肢のひとつとして知っておく価値があります。適応やタイミングは、その子に合わせてご相談ください。
フードボウルの高さや食事の与え方で予防できますか?
食事の工夫はリスクを下げる助けになります。1回量を減らして1日2〜3回に分ける、早食いを防ぐ(早食い防止用の食器やパズルフィーダーを使う)、食事の前後1時間ほどは激しい運動や興奮を避ける、といった管理が勧められます。一方で、フードボウルを高い台に載せること(高所給餌)については、かえってリスクを高めるとする報告もあり、一律にはおすすめしません。もっとも確実な予防は前述の胃固定術です。生活面の工夫と外科的予防を組み合わせて、その子に合った備えを一緒に考えましょう。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。