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病気の概要
脾臓は、おなかの左側にある、血液をためたり古い血球を処理したりする臓器です。ここにできる「しこり(腫瘤)」は、この病気を理解するうえで、まず良性か悪性かを見た目では確定できないということを知っておく必要があります。
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血管肉腫という病気の“本質”
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好発 ― どんな子に多いか
- 中〜高齢(およそ8〜10歳)の大型犬に多く発生します。
- ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、プードル、ボクサーなどでの発生が多いと報告されています。
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症状・気づきのサイン
脾臓腫瘍の現れ方には、大きく2つのパターンがあります。
急性 ― 内出血による急変
突然の元気消失・食欲不振・歯ぐきの蒼白・ふらつき・虚脱、おなかの張り。腫瘍が崩れておなかの中に出血して起こります。すぐの対応が必要なサインです。
無症状 ― 偶然の発見
健康診断や、別の理由での触診・画像検査で偶然見つかることも。この場合は、良性の可能性も相応にあります。
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診断・検査
STEP 1
腹部超音波・全身の評価
脾臓の腫瘤やおなかの中の出血(腹水)を確認します。あわせて血液検査で貧血や全身状態をみます。
STEP 2
転移・併発病変の評価
胸部の画像(必要に応じCT・提携施設をご紹介)で肺への転移を、心エコーで心臓(右心耳)の病変を確認します。出血していれば腹水の性状も調べます。
STEP 3
脾臓摘出と病理検査で確定
確定診断は、基本的に脾臓を摘出してから病理検査で行います。細胞診や画像だけでは良性・悪性・種類を確定できないためです。
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治療
脾臓摘出術(第一選択)
脾臓ごと切除する手術です。出血を止めることと、正体を確定することの2つの目的を同時に果たします。だからこそ、生検ではなく全摘が基本になります。
緊急の安定化
内出血で状態が悪いときは、まず輸血・点滴で全身を安定させ、必要に応じて緊急の止血手術を検討します。
補助化学療法(血管肉腫のとき)
血管肉腫と確定した場合、見えない転移を抑えるため、ドキソルビシンを軸とした化学療法を組み合わせるのが標準的です。生存期間の延長が報告されています。
緩和ケア(穏やかに過ごす選択)
全身状態・転移の程度・ご家族の意向により、手術や化学療法を行わず、苦痛をやわらげることを優先する選択も、尊重すべき選択肢です。
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治療計画の考え方と予後
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ご家庭でのケアと、当院の考え方
脾臓の病気で、いちばん知っておいていただきたいのは、「突然ぐったりして歯ぐきが白い」は緊急のサインだということです。様子を見ずに、すぐにご連絡ください。一方、健診で偶然見つかった脾臓のしこりは、慌てず全身を評価し、選択肢を整理して考える時間があります。
良性であってほしいと願いながら、悪性の可能性にも備える——この難しい時間を、ご家族と一緒に歩みます。どんな結果であっても、その子とご家族が穏やかに、幸せに過ごせることを目標に、選択肢を一緒に考えます。
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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)
より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。
- 脾臓腫瘤/ACVS・米国獣医外科学会(英語) — 良性・悪性の割合、脾臓摘出が診断と治療を兼ねる理由、化学療法併用の生存延長までを解説。
- 動物の結合組織腫瘍(血管肉腫を含む)/MSD獣医マニュアル・獣医師向け(英語) — 血管肉腫の発生部位・破裂と出血・予後を扱う専門的リファレンス。

