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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

BLOOD TEST

血液検査(CBC・血液化学検査)

一度の採血で、全身のはたらきを見わたす

血液は全身をめぐり、あらゆる臓器と接しています。だからこそ、少量の血液を調べるだけで、貧血や炎症の有無から、肝臓・腎臓のはたらきまで幅広く確かめられます。当院がふだん行っている血液検査について、何が分かるのかをご説明します。

  • 検体検査
ANESTHESIA麻酔・鎮静
通常は不要です(強く怖がる・興奮する場合は鎮静を使うことがあります)
FASTING絶食
できれば8〜12時間(お水は通常どおり)
DURATION検査にかかる時間
採血そのものは数分
RESULT結果が出るまで
院内は20分ほどから/外部委託は1週間程度

その子の状態・検査の目的によって変わることがあります。実際の進め方は診察でご相談ください。

血液検査は、動物病院でもっともよく行われる検査です。ひとくちに「血液検査」といっても、実際には性質の違う2つの検査を組み合わせています。血液そのものの成分を数える血球検査(CBC)と、血液に溶けている物質から臓器のはたらきを推し量る血液化学検査です。

01

血液検査で分かること

犬や猫は不調を隠します。「食欲が少し落ちた」という変化の裏側で、腎臓が半分以上はたらきを失っていることもあれば、単に季節の影響ということもあります。その区別は、外から見ているだけでは付きません。

血液検査は、その子のからだの中で起きていることを数字にして、次のような問いに答えるための検査です。

今、どこに問題がありそうか

肝臓・腎臓・膵臓など、どの臓器に負担がかかっているのかを絞り込みます。症状が漠然としているときほど、方向を決める手がかりになります。

炎症や貧血が起きていないか

白血球の数と種類、赤血球の量から、感染・炎症・出血・貧血の有無とその程度を確かめます。

麻酔をかけて大丈夫か

多くの麻酔薬は肝臓と腎臓で代謝・排泄されます。手術前の検査は、その負担に耐えられる状態かを確かめるために行います。

治療がうまくいっているか

薬の効果と副作用を数字で追いかけます。同じ項目を定期的に測ることで、変化の向きが見えてきます。

02

血球検査(CBC)― 赤血球・白血球・血小板を数える

CBC は Complete Blood Count(全血球計算)の略で、血液に含まれる3種類の細胞を数え、その大きさや性状を調べる検査です。当院では院内の測定機器(IDEXX プロサイト)で行っています。

調べるもの主な項目何が分かるか
赤血球赤血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット貧血の有無と程度、脱水の目安
赤血球の性状平均赤血球容積(MCV)・赤血球分布幅(RDW)貧血の原因を絞り込む手がかり
網赤血球網赤血球数骨髄が新しい赤血球を作れているか(再生性か非再生性か)
白血球白血球数と5分類(好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球)感染・炎症・ストレス・アレルギー・白血病などの手がかり
血小板血小板数・平均血小板容積血を止める力。減っていると出血しやすくなる

とくに大切なのが網赤血球です。貧血があるとき、骨髄が反応して新しい赤血球を作り出しているのか(再生性貧血)、それとも作れていないのか(非再生性貧血)で、疑う病気がまったく変わります。前者では出血や赤血球の破壊、後者では慢性腎臓病や骨髄の病気などを考えていきます。

白血球も、総数だけでなく内訳が重要です。好中球が増えていれば細菌感染や炎症、リンパ球が減っていればストレスやステロイドの影響、好酸球が増えていれば寄生虫やアレルギーというように、内訳から背景を推測します。

03

血液化学検査 ― 臓器のはたらきを数字で見る

血液に溶けている酵素・老廃物・タンパク質・電解質などを測り、臓器の状態を推し量る検査です。当院では院内の測定機器(IDEXX カタリスト)で行っています。

肝臓・胆道

項目何を示すか
ALT肝細胞に多く含まれる酵素。肝細胞が傷むと血液中に漏れ出す
AST肝臓のほか、筋肉の損傷でも上がる
ALP胆汁の流れが滞ると上がる。若い成長期の子や、ステロイドの影響でも上がる
GGT胆汁うっ滞や胆管の病気で上がる
総ビリルビン(T-Bil)高くなると黄疸として目に見える。溶血・肝障害・胆道閉塞で上昇
総胆汁酸(TBA)肝臓の「はたらき」そのものの指標。門脈体循環シャントの評価にも使う

ALT や ALP が高いことと、肝臓が「はたらけていない」ことは同じではありません。前者は主に肝細胞や胆道の傷みを示す指標で、実際の機能を見るには総胆汁酸やアルブミンなどを併せて評価します。

腎臓・泌尿器

項目何を示すか
BUN(尿素窒素)腎機能の指標。ただし食事の内容・脱水・消化管出血でも上がる
クレアチニン(Cre)腎機能の指標。筋肉量の影響を受ける
SDMA早期の腎機能低下をとらえやすい指標。筋肉量の影響を受けにくい
リン(P)・カルシウム(Ca)腎臓病の進行や、副甲状腺・腫瘍に関わる異常で変動する

クレアチニンは、腎臓のはたらきがかなり失われるまで上がってきません。SDMA はより早い段階で動くとされ、国際的な慢性腎臓病のステージ分類(IRIS)にも組み込まれています。持続的に高い値が出た場合は、クレアチニンが基準値内でも腎臓病の初期として扱い、食事や飲水の管理を早めに始めます。

膵臓・血糖・脂質

項目何を示すか
グルコース(Glu)血糖値。糖尿病の診断と管理に使う
アミラーゼ・リパーゼ膵臓の指標。膵炎が疑われる場合は、より特異性の高い検査(膵特異的リパーゼ)を併用する
総コレステロール・中性脂肪甲状腺機能低下症・糖尿病・膵炎などで変動する

タンパク質・電解質・炎症

項目何を示すか
総タンパク(TP)・アルブミン(Alb)栄養状態、肝臓・腎臓・腸からのタンパク喪失、脱水の指標
グロブリン(Glob)慢性の炎症・感染・一部の腫瘍で上がる
ナトリウム・カリウム・クロール脱水や嘔吐下痢による体液の乱れ。カリウムの異常は心臓に直結する
CRP(犬)炎症の強さを示す指標。治療の効果判定にも使う
T4(甲状腺ホルモン)猫の甲状腺機能亢進症のスクリーニングなどに使う
コルチゾール副腎皮質のはたらきを調べる検査(ACTH刺激試験など)で測定する

04

当院の体制 ― 院内検査と外部委託の使い分け

院内でその日のうちに(20分ほどから)

血球検査(CBC)と血液化学検査は院内で測定しています。一般的な項目に加え、CRP・総胆汁酸(TBA)・コルチゾール・T4 なども院内で対応できます。具合が悪い子は、結果を見ながらその日のうちに治療の方針を決められます。混み合っているときは、もう少しお時間をいただくことがあります。

外部の検査機関へ(一般的な項目で1週間程度)

院内で測定できない項目は外部に依頼します。よく使うものでは、遊離T4(FT4)・甲状腺刺激ホルモン(TSH)・血清アミロイドA(SAA。猫の炎症の指標)・NT-proBNP(心臓への負荷の指標)などが該当します。

どちらを使うかは、その結果をいつ必要とするかで決めています。急いで判断する必要がなければ、費用を抑えられる外部委託をお選びいただけます。健康診断キャンペーンのように多くの子の検査をまとめて行う場面では、血液化学検査を一括で外部に依頼しています。

犬の甲状腺機能低下症のように、院内で測れる T4 だけでは判断できず、FT4 と TSH を合わせて評価する必要がある病気もあります。その場合は、はじめから外部委託を前提に検査を組み立てます。

05

検査の受け方(絶食・採血の実際)

  1. ステップ1できれば8〜12時間の絶食でお越しください

    食後は中性脂肪が上がって血液が濁り、いくつかの項目が正確に測れなくなります。血糖値も食事の影響を受けます。お水は通常どおりで構いません。子犬・子猫、糖尿病の管理中など、絶食が負担になる場合は指示が変わりますので、事前にご相談ください。

  2. ステップ2採血します

    首(頸静脈)や前肢・後肢の血管から採血します。スタッフがからだを支え、多くの場合は数十秒で終わります。強い恐怖を示す子に無理な保定はしません。日を改める、鎮静を使うなど、その子に合った方法をご相談します。

  3. ステップ3測定します

    院内検査では、その場で機器にかけて測定します。院内で測定できない項目は、当日中に外部の検査機関へ送ります。

  4. ステップ4結果をご説明します

    数値をお見せしながら、何が分かったのか、次に何をするのかをご説明します。結果票はお持ち帰りいただけます。前回の結果と並べて比べることが次の診断の材料になるため、保管をおすすめします。

06

結果の見かた ― 数値を読むときに大切なこと

検査結果の紙には、たくさんの数字と「H(高い)」「L(低い)」の印が並びます。ご帰宅後に読み返すとき、次の3つを知っておいていただくと、無用な心配を減らせます。

基準値は「その子の正常」ではありません

結果票に印刷されている基準値は、多数の健康な犬・猫から求めた統計上の幅です。個体差があるため、基準値の中にいてもその子にとっては明らかな変化ということがあります。逆に、少し外れていても、その子ではずっとその値ということもあります。元気なときに測っておいた値が、いちばんの比較対象になります。

基準値は測定する機器によって少しずつ違います

同じ項目でも、測定方法によって基準の幅は変わります。他院の結果と単純に数値だけを比べると、実際には変化していないのに「上がった」「下がった」と見えてしまうことがあります。他院のデータをお持ちいただく際は、基準値も一緒に写っていると正確に比較できます。

「異常なし」も立派な結果です

検査をして何も出なかったとき、それは無駄ではありません。可能性のある病気を消したという情報であり、次にどこを調べるべきかが決まります。同時に、その子の平常値を記録できたことにもなります。

07

さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動します。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

あわせて読む:尿検査 健康診断のご案内(年齢別の受け方)

費用について

検査の費用は、項目の数・院内で行うか外部の検査機関に依頼するか・麻酔の有無によって変わります。必要と考える検査は、目的と概算の費用をご説明したうえで進めますので、気になる点は遠慮なくお聞きください。ご予算に合わせて優先順位をつけることもできます。

はじめてご来院される方へ

ご予約から診察・治療方針のご提案までの流れを、わかりやすくまとめています。

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Q&A

よくあるご質問

採血は痛くないのですか。嫌がりませんか。
人と同じで、針が入る一瞬のちくっとした痛みはあります。多くの子は保定(からだを支えること)をしている数十秒でとくに問題なく終わります。首や前肢の血管から採ることが多く、採血量は検査項目にもよりますが小さじ1杯に満たない程度です。強い恐怖を示す子には、無理に押さえつけず、日を改める・鎮静を検討するなど別の方法をご相談します。
ごはんを食べさせてしまいました。検査はできますか。
できます。ただし食後は中性脂肪が上がり、血液が白く濁って一部の項目が正確に測れないことがあります。血糖値も食事の影響を受けます。健康診断のように急がない検査であれば、日を改めて絶食で受けていただくほうが正確です。具合が悪くて原因を調べる場合は、食後でもまず検査を優先します。
健康診断で「基準値内」でした。安心してよいですか。
多くの場合は安心の材料になりますが、基準値は多数の健康な子から作られた幅であり、その子個人の平常値ではありません。基準値の中でも、前回から明らかに動いている数値には注意を払います。だからこそ、元気なうちに測って記録を残しておくことに意味があります。
血液検査だけで病気は分かりますか。
血液検査で分かるのは、主に臓器のはたらきや全身の状態です。しこりがどこにあるか、腸が詰まっていないか、心臓の形はどうかといったことは分かりません。実際の診断では、尿検査・レントゲン・超音波などと組み合わせて絞り込んでいきます。
結果が出るまで、どのくらいかかりますか。
当院の院内検査は20分ほどから結果が出ます。混み合っているときは、もう少しお時間をいただくことがあります。院内で測定できない項目を外部の検査機関に依頼する場合は、一般的な項目でおおむね1週間程度です。お急ぎでない場合は、費用を抑えられる外部委託をお選びいただくこともできます。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。