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LABRADOR RETRIEVER

ラブラドール・レトリバーの特徴とかかりやすい病気

温厚で頼れる使役犬。関節(変形性関節症)・肥満・耳のトラブルに注意したい犬種です。

ラブラドール・レトリバーは温厚で賢く、盲導犬や災害救助犬としても活躍する使役犬の代表格です。丈夫な犬種ですが、大規模なプライマリケア研究では関節(変形性関節症)や耳のトラブルが多く、また遺伝的に太りやすい体質が知られています。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、早めに知って備えることで、その子の活動的な毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 大型犬で上位

明るく人懐こく、家族にも仕事にも真面目に応えるラブラドール・レトリバー。心身ともにタフな犬種ですが、健康面では「よく動く大型犬の関節」と「太りやすい体質」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、ラブラドールで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

ラブラドール・レトリバーってどんな犬?

カナダ・ニューファンドランド島で漁師とともに働いた犬が、イギリスで猟犬として確立された犬種です。体重は25〜35kg前後。水をはじく短毛のダブルコートと、水かきの発達した足、太く丈夫な尾が、水中作業のための体つきを物語ります。

性格の傾向

明るく人懐こく、我慢強い性格です。訓練性能の高さから盲導犬をはじめ多くの使役犬に選ばれています。そして特筆すべきは食への強い意欲。「いつでもおなかが空いている」ように見えるのは、この犬種らしさでもあります。

暮らし方・お手入れ

毎日たっぷりの運動が必要です。泳ぎが得意で水遊びを喜びます。短毛でも換毛期の抜け毛は多いのでブラッシングを。拾い食いやおもちゃの丸のみが起こりやすいため、口に入るサイズのものを床に置かない工夫が役立ちます。

ここがたまらない

近づくだけで振り回される尻尾。水を見つけたときの迷いのない飛び込み。何でもくわえて運びたがるところ。シニアになっても子犬のような表情が残るのが、この犬種の愛されるゆえんです。

02

とくに知っておきたい好発疾患

変形性関節症

Osteoarthritis

関節の軟骨がすり減り、痛みと動きにくさが慢性的に続く病気です。英国の大規模なプライマリケア研究では、ラブラドールは変形性関節症のリスクがとくに高い犬種と報告されています。股関節・肘・膝など、若い頃の発育性疾患や体重の影響が積み重なって進行します。早く気づいて体重管理・運動調整・痛みのケアを始めるほど、活動的な生活を長く保てます。

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外耳炎

Otitis Externa

耳の穴の皮膚に炎症が起こる病気で、ラブラドールで比較的多くみられます。垂れ耳で通気が悪いことに加え、アトピーなどのアレルギー体質が背景にあると繰り返しやすくなります。頭を振る・耳を掻く・赤み・耳あか・においがサイン。表面の治療だけでなく、背景にある原因を見極めることが再発予防の鍵です。

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股関節形成不全

Hip Dysplasia

成長期に股関節がゆるく形成され、痛みや歩様異常、将来の関節炎につながる発育性の整形疾患です。大型犬で好発し、ラブラドールも注意が必要です。「腰を振るように歩く」「立ち上がりや階段を嫌がる」はサインの一つ。急成長期の過度な運動や肥満はリスクを高めるため、体重管理と適切な運動量が予防の要になります。

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肥満細胞腫

Mast Cell Tumor

皮膚にできる代表的な悪性腫瘍で、ラブラドールを含むレトリバー系で発生がみられます。良性のできものに見えることもあり、大きさが変わる・赤くなる・触ると腫れるといった変化が特徴です。皮膚のしこりは「様子見」にせず、早めに細胞診で調べることが適切な治療につながります。

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リンパ腫

Lymphoma

リンパ球ががん化する血液のがんです。あごの下・脇・膝の裏などのリンパ節が左右対称に腫れるのが典型的なサインで、痛みを伴わないことが多いのが特徴です。体をなでる習慣のなかでリンパ節の腫れに早く気づくことが、治療の選択肢を広げます。

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胃拡張捻転(GDV)

Gastric Dilatation-Volvulus

胃がガスで膨らんでねじれる救急疾患で、深い胸をもつ大型犬に起こります。発症すると数時間で命に関わります。お腹が急に張る・空えずき(吐こうとして吐けない)・落ち着かない・よだれは緊急受診のサインです。早食いを防ぎ、食後すぐの激しい運動を避けることがリスク軽減につながります。

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03

見逃したくない初期サイン

体型

肋骨が触れにくい・くびれが消えた(肥満)

関節

立ち上がりや運動を嫌がる・歩様がぎこちない

頭を振る・耳を掻く・赤みやにおい

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。体型の変化は毎日見ていると気づきにくいため、月1回のチェックをおすすめします。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1適正体重を厳密に管理する

    ラブラドールの健康管理の中心は体重です。月1回ボディコンディションを確認し、フードは目分量ではなく計量して与えます。おやつは1日の総カロリーに含めて調整しましょう。適正体重の維持が、関節・心臓・多くの病気の予防につながります。

  2. ステップ2関節にやさしい環境と運動を

    フローリングには滑り止めのマットを敷き、急成長期の過度なジャンプは控えめに。適度な運動で筋肉を保つことが関節を守ります。太りやすい犬種だからこそ、運動と食事の両輪が大切です。

  3. ステップ3胃拡張捻転(GDV)を予防する

    早食い防止用の食器を使い、一度に大量に与えず食事を分け、食後すぐの激しい運動は避けます。お腹の張り・空えずきは緊急のサインと覚えておきましょう。

  4. ステップ4耳と皮膚を定期的にチェックする

    耳のにおい・赤み・耳あか、皮膚のしこりや痒みを習慣的に確認します。繰り返す外耳炎はアレルギー体質が背景のことがあるため、原因からのケアをご相談ください。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    体重・関節・耳・皮膚のチェックに加え、中高齢では血液検査で全身状態を確認します。無症状のうちに変化を捉えることが、選択肢を広げます。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ラブラドールのように活動的で長く働く犬種だからこそ、関節と体重を若いうちから一緒に見守り、動ける体を長く保つお手伝いをします。体重管理は「我慢させること」ではなく「守ること」。悩んだときは、食事内容も含めてお気軽にご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

ラブラドール・レトリバーで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

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Q&A

よくあるご質問

ラブラドールは太りやすいと聞きました。体重管理はなぜそんなに大切なのですか?
ラブラドールの一部には食欲に関わる遺伝子(POMC)の変異があり、いつも空腹を感じやすい、太りやすい体質が知られています。肥満は変形性関節症・股関節・多くの病気を悪化させる最大の環境要因です。体型(ボディコンディション)を月1回チェックし、フードは計量して与え、おやつは1日の総カロリーに含めて管理しましょう。「食べたがるから」ではなく「健康を守るために」量を決めることが、結果としてその子を守ります。
歩き方がぎこちない、運動を嫌がるようになりました。年齢のせいでしょうか?
加齢もありますが、ラブラドールでは変形性関節症や股関節形成不全が背景にあることが少なくありません。立ち上がりや階段を嫌がる、散歩を途中で止めたがる、運動後に足を気にする、といった様子は関節の痛みのサインかもしれません。体重管理・滑りにくい床・適度な運動が土台になります。気になる歩き方は動画に撮っていただくと診察がスムーズです。
よく耳を痒がり、においも気になります。どうすればいいですか?
ラブラドールは外耳炎が比較的多い犬種で、垂れ耳の構造やアレルギー体質が背景にあることがあります。頭を振る・耳を掻く・赤みや耳あか・においは受診のサインです。市販薬での自己処置は悪化を招くことがあるため、まずは耳の状態と原因(アレルギーの有無など)を診させてください。繰り返す外耳炎は、背景にある体質のケアが再発予防につながります。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。