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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

GI FOREIGN BODY

犬・猫の消化管内異物・誤食

「飲み込んだかも」は、様子を見ずにご相談を。時間が予後を左右します

おもちゃ・布・骨・紐——犬や猫は、思わぬものを飲み込んでしまいます。胃や腸に詰まると命に関わることもあり、とくに猫に多い「紐状の異物」は腸を切り裂く危険があります。飲んだものと時間によって最適な対応が変わるため、自己判断で吐かせようとせず、できるだけ早くご連絡ください。

  • 消化器科
  • 誤食・緊急

この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。

とくに気をつけたい犬種・猫種

好発(かかりやすい傾向)が知られている犬種・猫種です。必ずかかるわけではありません。

01

病気の概要

消化管内異物(しょうかかんないいぶつ、Gastrointestinal Foreign Body)とは、食べ物ではないものを飲み込み、それが食道・胃・腸に留まったり詰まったりした状態です。好奇心の強い犬や猫では珍しくなく、とくに若い子に多くみられます

飲み込んだものが小さければ便と一緒に出ることもありますが、大きなものや形の悪いものは消化管に詰まり(閉塞)、放置すると腸が壊死・穿孔(穴があく)し、命に関わる腹膜炎に進むことがあります。「何を・いつ・どのくらい飲んだか」と、どれだけ早く対応できるかが、その後を大きく左右します。

36–48時間

腸を通過せず動かなければ手術を検討する目安

紐・糸

猫でとくに多く、危険度の高い「線状異物」

02

何が起きているのか

異物が消化管に詰まると、その手前に食べ物・水・ガスがたまって腸が膨らみます。詰まりが続くと血の巡りが悪くなり、腸の壁が酸素不足で傷んでいきます。さらに進むと壁が壊死して穴があき(穿孔)、腸の中身がお腹の中に漏れて腹膜炎——命に関わる状態になります。

STEP 1

異物が詰まる(閉塞)

飲み込んだものが胃や腸に留まり、内容物の流れをせき止める。手前の消化管が液体とガスで拡張する。

STEP 2

血流障害・腸が傷む

詰まりが続くと、その部分の血の巡りが悪くなり、腸の壁が酸素不足で傷んでいく。嘔吐・脱水が進む。

STEP 3

壊死・穿孔

傷んだ腸の壁が壊死し、穴があく(穿孔)。とくに線状異物は腸を裂きやすく、穿孔の危険が高い。

STEP 4

腹膜炎・ショック

腸の中身がお腹に漏れ、腹膜炎・敗血症へ。ショック状態に陥ると命に関わる。ここに至る前の対応が重要。

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こんなものにご注意ください

対象飲み込みやすいもの
おもちゃ、靴下・布類、骨、果物の種、焼き鳥やバーベキューの串、飼い主の錠剤
糸・毛糸・リボン・デンタルフロス・釣り糸などの線状異物、ビニール、ヘアゴム
共通ボタン電池・磁石(重篤化しやすい)、竹串、針、小さなおもちゃの部品

食道に詰まりやすいのは、骨や大きめのおやつです。とくに犬で多く、飲み込んだ直後からよだれ・えずき・飲み込みにくさが出ることがあります。

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症状・サイン

飲み込んだ場所や、詰まっているかどうかで症状は変わります。無症状で経過することもあれば、急に重くなることもあります。

  • 嘔吐をくり返す・食べてもすぐ吐く
  • 食欲がない・元気がない
  • お腹を痛がる・触ると嫌がる・お腹が張っている
  • よだれが増えた・飲み込みにくそう(食道異物)
  • 下痢・血便
  • ぐったりして動かない・虚脱(重症)

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診断・検査

「異物があるか」「どこにあるか」「詰まって腸が傷んでいないか」を確かめることが目的です。飲んだものによってはレントゲンに写らないため、複数の検査を組み合わせます。

問診・身体検査

何を・いつ・どのくらい飲んだかを詳しく伺い、脱水や腹痛、お腹の張りを確認します。口の中や舌下も確認します。

レントゲン検査

金属や骨など写るものは直接、写らないものも腸のガスの溜まり方(閉塞のサイン)から推測します。線状異物では腸がアコーディオン状に寄る所見、お腹の中の遊離ガスは穿孔のサインです。

超音波検査

写りにくい異物や腸の状態、腹水の有無を、無麻酔・低侵襲で評価できます。腸の動きや壁の傷みも確認できます。

造影検査・CT(必要に応じて)

レントゲンに写らない異物を、造影剤で陰影の欠けとして確認します。穿孔が疑われるときはバリウムを使わず、体にやさしい水溶性の造影剤を用います。

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治療

飲んだもの・場所・時間・全身状態から、その子にとって安全で確実な方法を選びます。大きく分けて「経過観察」「吐かせる」「内視鏡」「手術」があります。

経過観察(自然排出を待つ)

小さく丸いもので、症状がなく安定していれば、便として出るのを連続したレントゲンで追いながら待つことがあります。動かない・悪化するなら手術に切り替えます。

催吐(吐かせる)

胃の中にあり、飲んで間もなく、吐かせて安全に出せる物に限って選びます。鋭利なもの・線状異物・食道の異物・すでに腸へ進んだ物・腐食性の物には行いません(かえって危険なため)。

内視鏡による摘出

胃や食道、近い十二指腸までの異物は、体を大きく切らずに口から内視鏡で取り出せます。低侵襲で回復も早い方法です。届かない場所の異物は手術になります。

開腹手術(胃・腸の切開/腸切除)

腸の奥の異物・閉塞・穿孔は手術で対応します。傷んだ腸は切って繋ぎ直す(腸切除・吻合)ことも。線状異物では腸全体を丁寧に確認します。

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予後

早く見つけて、腸が傷む前に対応できれば、多くは良好に回復します。一方で、穿孔・腹膜炎を起こしてからでは、手術も体への負担も大きくなり、予後は厳しくなります。手術後は、腸のつなぎ目がほころびる(縫合部離開)ことが術後3〜5日ごろに起こりやすいため、この時期の入院管理と観察が大切です。

つまり、この病気で最も効くのは「早さ」です。飲み込んだ疑いがあるだけの段階でご相談いただければ、吐かせて簡単にすむこともあります。迷ったら、様子を見るより先にご連絡ください。

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ご家庭でできること・予防

  • 危険なものを届かない所へ……紐・糸・裁縫針・布・小さなおもちゃ・串・ボタン電池・磁石・飼い主の薬などを、犬猫の届かない場所に片づけます。
  • 猫の「糸遊び」に注意……紐やリボンで遊ばせたあとは必ず片づけ、出しっぱなしにしないでください。
  • 留守番は安全な環境で……目の届かない時間は、異物のない部屋やケージで過ごさせると安心です。
  • 「ちょうだい・放して」を教える……口にした物を出せるよう練習しておくと、いざというとき役立ちます。
  • 一度やった子はくり返しやすい……誤食歴のある子は、環境の見直しをより丁寧に。

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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

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Q&A

よくあるご質問

異物を飲み込んだかもしれません。まず何をすればいいですか?
できるだけ早くご連絡ください。飲んだもの・大きさ・飲んだ時間によって対応が大きく変わります。ご家庭で無理に吐かせようとするのは危険な場合があります。とくに、針や串などの鋭利なもの、紐・糸などの線状のもの、food以外の中毒物は、吐かせるとかえって傷つけたり悪化させることがあります。何を・いつ・どのくらい飲んだかをメモして、そのままご相談ください。
口や肛門から紐が出ています。引っ張ってもいいですか?
絶対に引っ張らないでください。紐が腸の奥で組織に食い込んでいることがあり、無理に引くと腸を傷つけ、穿孔(穴があく)を起こす危険があります。切ったり引き出そうとせず、そのままの状態で動物病院へお越しください。舌の裏に糸が巻き付いていることもあるため、無理に口を探るのも避けてください。
様子を見ていれば自然に出てくることもありますか?
小さくて丸いもので、症状がなく安定していれば、便として自然に出るのを待てる場合もあります。ただし、飲んだものが腸を通過できず36〜48時間たっても動かない・症状が悪化するときは手術が必要になります。自然排出を待つかどうかは、レントゲンなどで位置や大きさを確認したうえで判断します。「様子見でよいか」も含めてご相談ください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。