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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

CYTOLOGY

細胞診・病理検査

そのしこりが何なのかを、確かめる

「しこりに気づいた」——触っただけでは、良性か悪性かは分かりません。細い針を刺して細胞を採り、顕微鏡で確かめる。それが細胞診です。負担の小さな検査でありながら、その後の方針を大きく左右します。

  • 検体検査
ANESTHESIA麻酔・鎮静
多くの場合は不要です(部位や性格によっては鎮静・麻酔を検討します)
FASTING絶食
通常は不要です(鎮静を予定する場合は指示します)
DURATION検査にかかる時間
針を刺す処置は数分
RESULT結果が出るまで
院内での確認は当日/外部機関の判定は1週間程度

その子の状態・検査の目的によって変わることがあります。実際の進め方は診察でご相談ください。

しこりを見つけたとき、ご家族がいちばん知りたいのは「これは何なのか」だと思います。触った感触、大きさ、動くかどうか——診察でも確認しますが、見た目や手触りで良性・悪性を見分けることはできません。確かめる方法が、細胞を採って顕微鏡で見ることです。

01

細胞診とは ― 細い針で、細胞を採る

細胞診(穿刺吸引細胞診)は、採血に使うのと同じくらいの細い針をしこりに刺し、中の細胞を採って顕微鏡で観察する検査です。皮膚のしこり、腫れたリンパ節、お腹の中の臓器、たまった液体などが対象になります。

数分

針を刺す処置にかかる時間

当日

院内での確認(細胞が採れているか)

1週間程度

外部機関による判定の目安

当院での進め方

  1. ステップ1診察でしこりを評価します

    場所・大きさ・硬さ・動きやすさ・皮膚との関係を確認します。深いところにある場合は、超音波で位置と周りの血管を確認し、安全に採取できるかを判断します。出血しやすい状態が疑われる場合は、先に凝固検査を行います。

  2. ステップ2細胞を採ります

    細い針を刺して細胞を吸い上げ、スライドガラスに吹き付けます。皮膚のしこりであれば、多くの場合は麻酔なしで数分で終わります。おなかの中の臓器は超音波で画面に映しながら針を進め、必要に応じて鎮静を用います。

  3. ステップ3院内で染色し、その場で確認します

    染色して顕微鏡で見て、まず「診断に足りるだけの細胞が採れているか」を確かめます。この時点で見当がつく場合もあり、当日中に次の一手(追加の検査、切除の計画、緊急性の判断)を決められます。

  4. ステップ4標本を外部の検査機関へ送ります

    最終的な判定は、外部の検査機関に依頼します。細胞の判定を専門に行う担当者の目を通すことで、より確かな診断に近づけるためです。結果はおおむね1週間程度でお伝えします。

おなかの中のしこりを調べるとき ― 超音波ガイド下の穿刺

皮膚のしこりは目で見て触れて刺せますが、肝臓・脾臓・腎臓・リンパ節などおなかの中の臓器は、外からは位置が分かりません。そこで、超音波で画面に映しながら針を進める方法(超音波ガイド下穿刺)で行います。目標の場所に確実に届かせると同時に、血管や周りの臓器を避けるためです。

体の深い場所や、動くと危ない部位では、安全のために鎮静を用いることがあります。「刺せるかどうか」ではなく「安全に刺せるかどうか」から判断しています。

02

細胞診で分かること・分からないこと

分かること

炎症なのか腫瘍なのか。腫瘍であれば、どの系統の細胞か(リンパ球・肥満細胞・上皮細胞など)。リンパ腫や肥満細胞腫のように、細胞診で診断がつきやすい腫瘍もあります。膿瘍や脂肪腫といった「切らなくてよいもの」を見分けられるのも大きな利点です。

分からないこと

細胞の配列や周囲との関係は見えないため、悪性度の詳しい分類や、周りの組織にどこまで入り込んでいるかは判断できません。細胞が採れにくい腫瘍(線維系の腫瘍など)では、結論が出ないこともあります。

03

病理組織検査 ― 「組織」として調べる

細胞診で結論が出ないとき、あるいは治療方針を決めるためにより詳しい情報が必要なときは、組織そのものを採って調べる病理組織検査を行います。細胞をばらばらに見るのではなく、組織としての構造を保ったまま観察するため、得られる情報が格段に増えます。

細胞診病理組織検査
採るもの細胞(針で吸引)組織のかたまり(一部または全部)
体への負担小さい。多くは麻酔不要麻酔が必要なことが多い
分かること炎症か腫瘍か、細胞の系統腫瘍の種類・悪性度(グレード)・切除断端
結果まで1週間程度1〜2週間程度

手術で切除した組織も、必ず病理組織検査に出します。確認するのは、腫瘍の最終的な種類と悪性度、そして切除断端——取り切れているかどうかです。ここで「断端に腫瘍細胞が残っている」と分かれば、追加の切除や別の治療を検討します。手術は切って終わりではなく、この結果を受け取るところまでが一続きの流れです。

04

結果の見かた ― 細胞診で気をつけたいこと

細胞診の結果は、「良性」「悪性」という二択で返ってくるとは限りません。「炎症性の変化が主体」「腫瘍性を否定できないが判定困難」といった、幅のある表現になることもあります。これは検査があいまいなのではなく、採れた細胞から言えることの限界を正直に示しているためです。

そのようなときは、時間を置いて再検査する、部位を変えて採り直す、病理組織検査へ進む——といった次の手を、ご家族と相談しながら決めていきます。分からないことを分からないままお伝えし、その先の選択肢を一緒に考えることが、当院の考える誠実さです。

腫瘍の診断と治療の全体像については、腫瘍科のページもあわせてご覧ください。

05

さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

あわせて読む:超音波検査(エコー) 腫瘍科の詳しいご案内を見る

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この検査が関わる病気・診療科

この検査で調べる病気

ここに挙げたのは、この検査が診断・経過観察に関わる病気の一部です。実際に何を調べるかは、その子の症状によって変わります。

費用について

検査の費用は、項目の数・院内で行うか外部の検査機関に依頼するか・麻酔の有無によって変わります。必要と考える検査は、目的と概算の費用をご説明したうえで進めますので、気になる点は遠慮なくお聞きください。ご予算に合わせて優先順位をつけることもできます。

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Q&A

よくあるご質問

針を刺すのは痛くありませんか。麻酔は必要ですか。
採血と同じくらいの細い針を使うため、多くの子は麻酔なしで、数分の処置として受けられます。皮膚の表面近くのしこりであれば、押さえている間に終わります。ただし、痛みに敏感な部位、深いところにある臓器、動くと危ない場所では、超音波で確認しながら行い、必要に応じて鎮静を使います。
結果が出るまでどのくらいかかりますか。
当院ではまず院内で染色し、十分な細胞が採れているか、その場で判断できる所見があるかを確認します。ここまでは当日です。そのうえで、標本は外部の検査機関へ送り、専門の検査担当者に判定してもらいます。この結果はおおむね1週間程度でお伝えできます。
細胞診で「がん」かどうか確定できますか。
多くの場合、良性か悪性かの方向性は分かります。とくにリンパ腫や肥満細胞腫のように、細胞診で診断がつきやすい腫瘍もあります。一方で、細胞が採れにくい腫瘍や、細胞の見た目だけでは判断できない腫瘍もあり、その場合は組織そのものを採る病理組織検査が必要になります。
おなかの中のしこりも、針で調べられますか。
調べられます。肝臓・脾臓・腎臓・リンパ節など体の中の臓器は、超音波で画面に映しながら針を進める方法(超音波ガイド下穿刺)で行います。ただし針を刺す以上は出血のリスクがあり、とくに血管が豊富な臓器では注意が必要です。状況に応じて、事前に血液が固まる力を調べる検査(凝固検査)を行ってから実施します。必要性とリスクは実施前に必ずご説明します。
針を刺すと、がんが広がったりしませんか。
細い針で細胞を採ることによって腫瘍が広がるリスクは、極めて低いと考えられています。むしろ、しこりの正体を確かめないまま様子を見たり、手術の計画を立てずに切除したりすることのほうが、結果として不利になることが多くあります。
手術で取ったあとにも検査をするのですか。
はい。切除した組織は病理組織検査に出し、腫瘍の種類・悪性度・そして「取り切れているか(切除断端)」を確認します。この結果によって、追加の治療が必要かどうか、再発の可能性がどのくらいかが決まります。手術は終わりではなく、この結果までがひとつの流れです。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。