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COLUMN

予防

秋の健康診断で、獣医師は何を見ているのか

健康診断は「異常がなければそれで終わり」の検査ではありません。むしろ、異常がなかったときの数値のほうが、翌年からの武器になります。獣医師が結果用紙のどこを見ているのかを、そのままお話しします。

秋の健康診断は、こういう方に向いています

当院で秋にご案内することが多いのは、次のような方です。

秋という季節そのものが向いている理由

ひとつは、移動そのものの負担が軽くなること。夏の車内やキャリーの中は、それだけで体にこたえます。呼吸器や心臓に不安のある子、シニアの子ほど、涼しい時期のほうが落ち着いて検査を受けられます。

もうひとつは、夏を越えた体の状態を確かめられること。暑さは食欲・飲水量・活動量を変えます。夏のあいだに水を飲む量が増えたのは暑さのせいなのか、それとも別の理由があるのか——秋の数値は、その答え合わせになります。

「異常がなければ終わり」の検査ではありません

健康診断でいちばん誤解されているのが、ここだと思います。

異常がなかったときの数値こそが、その子の「平常値」の記録になります。

検査には基準範囲(正常とされる幅)がありますが、この幅はすべての犬・猫をまとめた統計です。もともと基準範囲の上のほうにいる子もいれば、下のほうにいる子もいます。だから、去年の数値を持っている子については、私たちは基準範囲の中に入っているかどうかよりも、去年からどちらへ、どれだけ動いたかを見ています。

基準範囲の中での変化は、症状が出るよりずっと前に起こります。1回の検査では見えず、2回目から見えてくる——健康診断が「毎年受けることで価値が増える」と言われるのは、そのためです。

結果用紙のどこを見ているか

  1. ステップ1身体検査|数字にならない情報

    体重とボディ・コンディション・スコア、目・耳・口の中、皮膚やしこり、リンパ節、心音と肺音、お腹の張り。血液検査では拾えない変化がここに出ます。とくに体重は、前回との差を必ず確認します。

  2. ステップ2血液検査|臓器の余力

    腎臓・肝臓・血糖・電解質・血球の数。血液検査のページに、それぞれの項目で何がわかるかをまとめています。

  3. ステップ3尿検査|血液より先に動くことがある

    おしっこの濃さ(尿比重)とタンパクは、血液の数値が動く前に変化することがあります。尿検査は健康診断の中でも費用対効果の高い検査です。ご家庭で採ってきていただくこともできます。

  4. ステップ4画像・血圧|形と圧力を見る

    レントゲンで心臓の大きさや肺の状態を、超音波でお腹の臓器の内部を見ます。シニアでは血圧も測ります。

年齢と種で、見どころは変わります

同じ「健康診断」でも、力を入れて見るところはその子によって違います。

「基準範囲の中だけれど、去年より動いている」とき

この場合の扱いは、どの項目が動いたかによって変わります。 同じ「基準範囲の中での変化」でも、様子を見てよいものと、早めに確かめておきたいものがあるためです。一律の線引きはありません。

コースは、春と同じです

秋だから特別なコースになる、ということはありません。内容は春の健康診断と同じです。

年齢別の推奨コースをご用意していますが、そのとおりに受けなければならないわけではありません。 気になっていることがあれば、そこに検査を足す・引くという組み立て方もできます。「これは受けたい」「これは今回は見送りたい」というご希望を、遠慮なくお聞かせください。

検査の組み合わせと年齢ごとの考え方は健康診断のページに、料金はわんにゃんプライムのページにまとめています。

結果は、その場で一緒に見ます

当院は、ホームページも診察室の延長だと考えています。健康診断も同じで、結果用紙をお渡しして終わりにはしません。

どの数値が何を意味するのか、去年と比べてどう動いたのか、画面をお見せしながら一緒に確認します。その場で腑に落ちていただくことが、次の一歩を選ぶときの前提になるからです。

検査の組み合わせや年齢ごとの考え方は健康診断のページに、当院で行っている検査の一覧は検査のご案内にまとめています。

さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

健康診断の詳しいご案内を見る

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このコラムで触れた病気について、原因・検査・治療をより詳しくご説明しています。

監修:院長/獣医師 大塚 元貴(2026年8月26日 最終確認)

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。

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