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YORKSHIRE TERRIER

ヨークシャー・テリアの特徴とかかりやすい病気

「動く宝石」と称される美しい被毛の犬種。歯・膝・気管、そして門脈体循環シャントに注意します。

ヨークシャー・テリアは「動く宝石」と称される美しい被毛をもつ小型犬です。活発で気の強い一方、小さな口に由来する歯のトラブルや、細い骨格・気管の弱さ、そしてこの犬種で古くから知られる肝臓(門脈体循環シャント)に注意が必要です。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、早めに知って備えることで、その子らしい毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 上位

「動く宝石」と称される美しい被毛が魅力のヨークシャー・テリア。愛らしく賢い家庭犬ですが、健康面では「小さな体と口」「細い気管」「この犬種特有の肝臓の病気」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、ヨークシャー・テリアで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

ヨークシャー・テリアってどんな犬?

19世紀イギリス・ヨークシャー地方で、工場や炭鉱のネズミ捕りとして働いた犬が起源です。成長にともなって毛色が変化していくことから「動く宝石」とも呼ばれます。シングルコートで抜け毛は少なく、体重は2〜3kg前後です。

性格の傾向

体は小さくても中身はテリア。勇敢で好奇心旺盛、活発です。賢く物覚えがよい反面、自分の意思がはっきりしていて頑固に見えることも。家族への愛情が深く、よく甘え、よく吠えます。

暮らし方・お手入れ

毛を長く伸ばすなら毎日のブラッシング、短く整えるスタイルなら定期トリミングを。運動は室内の遊びと散歩で十分まかなえます。寒さが苦手なので、冬の外出は防寒を忘れずに。

ここがたまらない

小さな体で堂々と胸を張って歩く姿。カットやリボンひとつで印象ががらりと変わる楽しさ。抱き上げたときの、軽くてあたたかい感触。飼い主さんが「見た目より性格が大きい」と口をそろえる犬種です。

02

とくに知っておきたい好発疾患

歯周病

Periodontal Disease

小さな口に歯が密集するため歯垢が停滞しやすく、英国の大規模疫学研究(VetCompass)ではヨークシャー・テリアの歯周病有病率は約21%と、全犬種のなかでも高い水準と報告されています。口臭・歯石・歯ぐきの赤みは受診のサイン。子犬のうちからの歯みがき習慣が最大の予防です。

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乳歯遺残(乳歯遺残による不正咬合)

Retained Deciduous Teeth

乳歯が抜けきらないうちに永久歯が生え、歯が二重に並んでしまう状態です。ヨークシャー・テリアは乳歯遺残が多い犬種として知られ、歯の間に汚れがたまって若齢から歯周病・咬み合わせの異常につながります。生後半年ごろに口の中を確認し、必要に応じて抜歯を検討します。

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膝蓋骨脱臼(パテラ)

Patellar Luxation

膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれる、小型犬でもっとも身近な整形疾患です。ヨークシャー・テリアは遺伝的な素因が強く、若齢から見つかることもあります。「後ろ足を一瞬あげてケンケンする」「スキップのような歩き方」はサインの一つ。早期に気づけば、将来の関節炎リスクを下げられます。

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気管虚脱

Tracheal Collapse

気管の軟骨がつぶれて空気の通り道が狭くなり、「ガーガー」というガチョウの鳴き声のような咳が出る、小型犬に多い病気です。興奮・首輪の圧迫・暑さで悪化します。首を圧迫しないハーネスへの切り替え、適正体重の維持、涼しい環境づくりが負担の軽減につながります。

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慢性腸症・蛋白漏出性腸症(PLE)

Chronic Enteropathy / Protein-Losing Enteropathy

ヨークシャー・テリアは、腸から血液中のタンパク質が漏れ出てしまう蛋白漏出性腸症の好発犬種として知られています。慢性的な下痢・体重減少・お腹の張り(腹水)などがサインです。血液検査でタンパク質の低下がみられたら、食事療法を含めた計画的な管理を行います。

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03

見逃したくない初期サイン

口臭・歯石・乳歯が抜けない・歯ぐきの赤み

ケンケン歩き・スキップのような歩き方

ガチョウの鳴き声のような咳・呼吸が苦しそう

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1子犬期から歯みがきを習慣に

    毎日の歯みがきが歯周病予防の要です。まずは口元に触れることに慣れさせ、少しずつ進めます。生後半年ごろには乳歯が残っていないかもチェックしましょう。

  2. ステップ2滑りにくい床環境と飛び降り対策

    フローリングにマットやカーペットを敷き、ソファやベッドにはステップやスロープを。膝・細い骨・気管への負担を減らせます。

  3. ステップ3首を圧迫しない・涼しく保つ

    散歩は首輪ではなくハーネスを使い、暑い時間帯を避けます。適正体重の維持とあわせて、気管虚脱の負担軽減につながります。

  4. ステップ4食事と体調をよく観察する

    食後のふらつき・慢性的な下痢・体重減少・成長のゆっくりさは、肝臓(シャント)や腸(PLE)のサインのことがあります。気づいたことはメモや動画で残しておきましょう。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    歯・膝・気管に加え、血液検査で肝機能や血中タンパクを定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ヨークシャー・テリアのように長く元気に暮らす犬種だからこそ、歯・膝・気管・肝臓を若いうちから一緒に見守り、選択肢を広げていきます。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

ヨークシャー・テリアで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

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Q&A

よくあるご質問

ヨークシャー・テリアを迎えました。まず何に気をつければいいですか?
子犬期は「歯(乳歯が抜けているか・歯みがき習慣)」と「膝(膝蓋骨脱臼)」、そして「滑りにくい床環境」がポイントです。ヨーキーは乳歯が抜けずに残りやすく、永久歯と二重に生えると歯並びや歯周病の原因になります。生後半年ごろに口の中を確認し、気になる歩き方や咳があれば動画を撮っていただくと診察がスムーズです。成長後も年1回以上の健康診断で早期発見を心がけましょう。
「ガチョウの鳴き声」のような咳をします。大丈夫でしょうか?
興奮したときや首輪が引っ張られたときに「ガーガー」というアヒルやガチョウの鳴き声のような咳が出る場合、気管虚脱の可能性があります。ヨーキーを含む小型犬に多く、気管の軟骨がつぶれて空気の通り道が狭くなる病気です。首を圧迫しないハーネスの使用、適正体重の維持、涼しい環境づくりが負担軽減になります。咳が続く・呼吸が苦しそうなときは早めにご相談ください。
食後にふらついたり、なかなか大きくならなかったりします。心配です。
ヨークシャー・テリアでは、生まれつき肝臓へ向かう血管の配線が異常になる門脈体循環シャントが知られています。食後のふらつき・よだれ・元気消失、成長がゆっくり、といったサインが手がかりになります。血液検査(胆汁酸など)や画像検査で調べられ、内科的な管理や外科的な治療の選択肢があります。気になる様子があれば、早めに受診してください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。