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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

UROLITHIASIS

尿石症(尿路結石)

おしっこの中で石ができる病気。種類を見きわめ、採るだけで終わらせないことが大切です

「頻繁にトイレに行く」「血が混じる」「なかなか尿が出ない」——それは尿路に石ができているサインかもしれません。尿石症は、石の種類とできる場所によって、溶かせるものから手術が必要なものまで対応が大きく変わります。当院は、石を採るだけで終わらせず、成分に応じた再発予防まで見すえて向き合います。

  • 腎泌尿器科

この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。

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病気の概要

尿石症(にょうせきしょう、尿路結石症:Urolithiasis)とは、尿の中のミネラル成分が結晶化し、それが集まって石(結石・ウロリス)となる病気です。石は腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこにでもでき、できる場所と石の種類によって、必要な対応がまったく変わってきます。

犬・猫のどちらにも起こり、頻尿・血尿・排尿時の痛みといった不快な症状の原因になります。膀胱の中で偶然見つかる無症状のものから、尿道に詰まって命に関わる緊急事態まで、幅は非常に広い病気です。

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結石の多くを占める主なタイプ(ストルバイト・シュウ酸カルシウム)

数時間

尿道が完全に詰まると命に関わるまでの目安

50%

シュウ酸カルシウム結石の再発率の目安(数年内)

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結石の種類

尿石にはいくつかのタイプがあり、溶かせるか・溶かせないかが対応の分かれ目になります。とくに多いのがストルバイトとシュウ酸カルシウムで、この2種で結石の大半を占めます。近年は、フードの改良などを背景に、犬・猫ともに溶かせないシュウ酸カルシウムの割合が増える傾向が指摘されています。

結石の種類溶解の可否主な原因・背景基本の対応
ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)溶かせる尿がアルカリ性に傾く/犬は細菌感染に伴うことが多く、猫は無菌性のことが多い溶解用の療法食。感染があれば抗菌薬を併用
シュウ酸カルシウム溶かせない尿が酸性に傾く/中高齢・体質・カルシウム代謝の影響など摘出・回収が基本。小さければ経過観察も。再発予防が要
尿酸塩(尿酸アンモニウムなど)一部で管理可能ダルメシアンなどの素因、門脈体循環シャント(肝臓の血管異常)原因(シャント等)の評価と食事・内科管理
シスチン一部で管理可能遺伝的な尿細管の異常。特定犬種にみられる食事管理・尿アルカリ化・去勢が有効なことも

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できる場所と、何が起こるか

結石ができやすい場所(腎臓・膀胱・尿道)。特にオスは尿道が細長く、詰まりやすい構造です。

石は尿の流れ道のどこにでもでき、上流(腎臓)から下流(尿道)へ移動することもあります。どこにあるかで症状も緊急度も変わり、いちばん危険なのは出口である尿道に詰まってしまうケースです。

腎臓

腎結石(じんけっせき)

腎臓の中にできる石。小さいと無症状のことも多いですが、大きくなると腎臓を傷つけ、慢性腎臓病の悪化要因になることがあります。

尿管

尿管結石(にょうかんけっせき)

腎臓と膀胱をつなぐ細い管に詰まった石。とくに猫で問題になりやすく、片側だけなら無症状のこともありますが、詰まると腎臓に尿がたまって腎機能を損ないます。

膀胱

膀胱結石(ぼうこうけっせき)

もっとも多く見つかる場所。膀胱の粘膜を刺激し、頻尿・血尿・排尿時の痛みを引き起こします。細菌性膀胱炎を併発することもあります。

尿道

尿道結石・尿道閉塞(緊急)

石や結晶が尿道に詰まり、尿が出せなくなる状態。とくに雄で起こりやすく、放置すると急性腎不全・高カリウム血症から命に関わります。一刻を争う緊急事態です。

尿道に詰まって排尿できなくなった状態については、尿道閉塞のページで詳しく解説しています。また、膀胱結石は細菌感染による膀胱炎と互いに関連し合うことがあり、両者をあわせて評価することが大切です。

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症状・サイン

膀胱内で偶然見つかる無症状のものもありますが、多くは次のような排尿のトラブルとして現れます。気づいたら早めのご受診をおすすめします。

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診断・検査

「石があるか」だけでなく、どこに・どの種類の石があるかまで見きわめることが診断の目的です。複数の検査を組み合わせて総合的に評価します。

尿検査

尿のpH・結晶の有無と種類・潜血・細菌などを調べます。結晶のタイプは結石の種類を推定する手がかりになり、感染の有無は治療方針を左右します。

画像検査(X線・超音波)

石の位置・大きさ・数を確認します。ストルバイトやシュウ酸カルシウムはX線に写りやすい一方、尿酸塩は写りにくいため、超音波検査を組み合わせて評価します。猫の尿管結石もこれらで探します。

血液検査

腎機能・電解質(とくにカリウム)・全身状態を評価します。尿道・尿管の閉塞がある場合は、腎臓への影響や緊急度の判断に欠かせません。

結石の成分分析

再発予防のいちばんの鍵です。摘出・排出された石を専門機関で分析し、正確な成分がわかると、その子に本当に必要な食事・管理を選べます。当院は可能な限りこの分析をおすすめします。

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治療 ― 種類と場所に応じて

治療は「石を取り除く/溶かす」ことと、「二度とできにくくする」ことの両輪で進めます。石の種類・大きさ・できた場所、そして症状の緊急度によって、その子ごとに最適な方法を選びます。

溶かす(内科的溶解)

ストルバイト結石が対象です。pHやミネラルを調整した溶解用の療法食を用い、感染を伴う場合は抗菌薬を併用します。体に負担の少ない方法ですが、定期的な尿検査・画像で溶けているかを確認しながら進めます。

採る・回収する(外科・その他)

溶けないシュウ酸カルシウム結石や、大きい・症状が強い石が対象です。膀胱を切開して摘出するほか、小さい石は膀胱洗浄で押し流して回収する方法(尿道水圧推進法)を選べることもあります。ごく小さく無症状なら経過観察とすることもあります。

尿道閉塞への緊急処置

尿が出せない状態は緊急です。麻酔・鎮静のもとで尿道カテーテルにより閉塞を解除し、点滴で全身状態(脱水・電解質)を立て直します。命を守ることを最優先に、迅速に対応します。

猫の尿管結石への対応

細い尿管に詰まった石は、内科管理で流れないこともあります。その場合、詰まりを迂回させるSUBデバイスや尿管ステントといった専門的な処置が必要になることがあり、当院では設備・体制の整った提携施設をご紹介します。

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再発予防

尿石症は再発しやすい病気です。とくにシュウ酸カルシウム結石は数年内に再びできることが少なくありません。石の種類に合わせた予防を続けることが、いちばんの治療になります。

予防の柱具体的な内容ねらい
水分摂取を増やすウェットフード中心にする・水飲み場を増やす・循環式給水器を使う尿を薄めて結晶ができにくくし、こまめな排尿で流し出す
結石タイプに合った食事成分分析の結果に基づく療法食を選ぶストルバイトは再形成の予防、シュウ酸カルシウムは新たな石の抑制
尿pHの管理定期的な尿検査でpHをモニタリングし、食事を調整アルカリ・酸性いずれにも傾きすぎないよう整える
感染のコントロール犬のストルバイトでは膀胱炎・尿路感染の管理感染をきっかけとした結石の再形成を防ぐ
定期的な尿検査・画像症状がなくても計画的にチェックする小さいうちに再発を見つけ、早く手を打つ

尿石症は、正しく種類を見きわめ、再発予防まで続けることで、その子が快適に過ごせる時間を長く保てる病気です。その子とご家族が幸せに過ごせることを目標に、目の前の石と、その先の予防まで一緒に向き合います。

療法食とは何か・なぜ獣医師の指導が要るのかを見る

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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

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Q&A

よくあるご質問

尿路結石は食事だけで溶かせますか?
石の種類によります。ストルバイト結石は、pHやミネラルを調整した溶解用の療法食(必要に応じて感染の治療を併用)で溶かせることが多い一方、シュウ酸カルシウム結石は溶かすことができず、大きさや症状によっては摘出・回収が必要になります。まず尿検査や画像で結石のタイプを推定し、可能であれば摘出した石の成分分析まで行って、その子に合った方針を決めます。自己判断で市販の「尿ケア」フードだけに頼るのは、かえって逆効果になることもあるためご相談ください。
おしっこがなかなか出ません。急いだほうがいいですか?
すぐにご連絡ください。尿道に石や結晶が詰まると尿道閉塞となり、排尿が完全にできなくなります。とくに雄の猫・犬は尿道が細く詰まりやすく、放置すると数時間から半日ほどで急性腎不全や高カリウム血症を起こし、命に関わります。「トイレに何度も行くのに尿が出ない」「少ししか出ない」「うずくまって鳴く」ときは、様子を見ずに緊急でご来院ください。
一度治っても、また再発しますか?
残念ながら尿石症は再発しやすい病気で、とくにシュウ酸カルシウム結石は数年内に再びできることが少なくありません。だからこそ、石を採る・溶かすだけで終わりにせず、成分に応じた食事管理・十分な水分摂取・尿pHの調整・定期的な尿検査を続けることが重要です。当院では、その子の結石タイプに合わせた再発予防プランを一緒に組み立て、経過を追い続けます。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。