尿検査は、腎臓・膀胱・糖の代謝まで幅広く分かる検査です。ところが肝心の尿が、動物病院ではなかなか採れません。緊張して出ない子、来院前に済ませてしまった子、診察の順番を待つあいだに出てしまった子——診察室での採尿は、思いのほか難しいのです。
ご自宅で採っていただけると、その日のうちに検査を進められます。ここでは、無理なくできる採り方をまとめました。
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準備するもの
- 採尿用のシリンジ ― 当院でお渡ししています。針のない注射器で、溜まった尿を吸い取ってそのまま持ち運べます。受診時やお電話でお申し付けください
- 尿を受けるもの ― 洗って乾かした使い捨てのおたま、浅いお皿、紙コップなど。ご家庭にあるもので構いません
- (猫の場合)システムトイレ、または砂を入れないトイレ、ペットシーツ
シリンジがない場合は、密閉できる小さな容器でも構いません。大切なのは、洗剤や汚れが残っていない、乾いた容器を使うことです。
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犬の場合
ステップ1:散歩のタイミングを狙います
多くの子は、朝いちばんの散歩で出ます。朝の尿は濃さが安定していて、検査にも向いています。
ステップ2:しゃがんだ・足を上げた瞬間に、そっと差し入れます
おたまや浅い容器を、尿の流れの下に差し入れます。急に近づくと止めてしまう子が多いので、動作はゆっくりと。1回で採れなくても構いません。数回チャレンジしてみてください。
ステップ3:出はじめは避けられれば理想です
出はじめの尿には、外陰部や包皮の細菌が混ざりやすいためです。とはいえ、これは「できれば」の話です。採れた尿をお持ちいただければ検査できます。
ステップ4:シリンジで吸って、お持ちください
受けた尿を、お渡ししたシリンジで吸い上げます。小さじ1杯(5mL)ほどあれば十分です。シリンジがない場合は、密閉できる容器に移して蓋をしてください。
足を上げるオスの子では、平らな容器を横から差し入れるほうが採りやすく、しゃがむメスの子では、柄の長いおたまが便利です。ご家庭の状況に合わせて、やりやすい方法で構いません。
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猫の場合
猫は、トイレの環境を利用すると採りやすくなります。
① システムトイレを使う
上段の砂やチップはそのままに、下段のトレイからシートを取り除いて空にしておきます。溜まった尿を、お渡ししたシリンジで吸い取ります。いちばん手間が少ない方法です。
② 砂を入れずに使う
いつものトイレを洗って乾かし、砂を入れずに置きます。または、ペットシーツを裏返して(吸収しない面を上にして)敷きます。抵抗を示す子もいるため、ふだんの様子を見ながら試してください。
③ 検査用の砂を使う
尿を吸収しないタイプの、採尿用の砂も市販されています。いつもの砂と見た目が近いものを選ぶと、使ってくれることが多いようです。
④ 出た直後をすくう
トイレに入ったタイミングで、浅い容器やおたまをそっと差し入れる方法もあります。嫌がる場合は無理をせず、別の方法に切り替えてください。
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採ったあとに気をつけること
| 望ましい | 避けたいこと | |
|---|---|---|
| 時間 | 来院直前の新しい尿 | 前日以前の尿、常温で長時間置いたもの |
| 保管 | すぐ来院できないときは密閉して冷蔵庫、当日中に持参 | 常温で放置する |
| 容器 | 当院のシリンジ、または洗って乾かした密閉できる容器 | 洗剤の残った容器、ティッシュに含ませたもの |
| 混入 | できるだけ何も混ざらない状態 | 猫砂(吸収するタイプ)、土や砂利、便 |
時間が経った尿では、細菌が増え、結晶ができ、細胞が壊れます。「前回と結果が違う」というとき、病気の変化ではなく採り方や時間の違いが原因ということもあります。どのように、いつ採ったのかを受付でお伝えください。
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どうしても採れないときは
病院で採る方法があります。
- カテーテル法 ― 細い管を尿道から膀胱へ入れて採ります
- 膀胱穿刺 ― 超音波で膀胱を確認しながら、細い針で直接採ります。外陰部の細菌が混ざらないため、感染や細菌培養を調べたいときには最も適した方法です。多くの場合、麻酔は必要ありません
「針を刺す」と聞くと驚かれる方が多いのですが、実際には採血と同じくらいの短時間で終わります。採れなかったことを気にされる必要はまったくありません。ご自宅での採尿は、あくまで「採れたらありがたい」というものです。
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尿だけをお持ちいただくこともできます
「診察の時間が取りにくい」「今日は尿だけ調べてほしい」というときは、尿をお預かりして検査し、結果を公式LINEまたはお電話でご報告することもできます。院内での尿検査は15〜20分ほどで終わります。
ただし、症状がある場合や、結果によって治療が必要になりそうな場合は、診察をおすすめしています。ご希望の方法を受付でお伝えください。
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この尿で、何が分かるのか
尿検査で調べる項目と、そこから分かることは尿検査のページで詳しくご説明しています。腎臓は、血液検査より先に尿に変化が出ることが多い臓器です。とくに7歳以上の猫、10歳以上の犬では、定期的な尿検査をおすすめしています。
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