歯科レントゲンは、通常のレントゲンとは別の、口の中専用の小さな装置で撮影する検査です。センサーを口の中に入れ、歯を1本ずつ、あるいは数本ずつ、真横から写します。
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なぜ「見た目」だけでは足りないのか
歯は、全体の約3分の2が歯ぐきと骨の中に隠れています。私たちが外から見ているのは、氷山でいえば水面から出ている部分にすぎません。
外から見えるもの
歯石の付き方、歯ぐきの赤み・腫れ、歯のぐらつき、欠けや変色。ここまでは視診で分かります。
レントゲンで初めて見えるもの
歯根の状態、歯を支える骨(歯槽骨)がどれだけ溶けているか、根の先の膿の袋、猫に多い歯の吸収、埋まったままの歯、根の折れ。処置の判断は、ここで決まります。
歯周病の多くが「歯ぐきに隠れた部分」で進むのは、このためです。歯石を取ってきれいに見えるようになっても、歯を支える骨が失われていれば、その歯は残せません。逆に、汚れて見える歯が、骨はしっかりしていて温存できることもあります。
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こんなときに撮影します
- 歯石除去(スケーリング)を行うとき ― 処置と同じ麻酔の中で、口全体を撮影します
- 口の匂いが強い、歯ぐきから出血する、口を触られるのを嫌がるとき
- 硬いものを噛んで歯が折れたとき ― 神経や根の状態を確認します
- 猫で、食べるときに顎が震える・特定の歯を触ると痛がるとき ― 歯の吸収病巣を疑います
- 乳歯が抜けずに残っているとき ― 永久歯の位置と埋伏の有無を確認します
- 口の中にできものがあるとき ― 骨に及んでいるかを確認します
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検査の流れ
ステップ1:診察でお口の状態を確認します
視診で歯石・歯ぐきの状態を確認し、処置が必要かを判断します。全身麻酔が可能かを調べる術前検査の日程もご相談します。
ステップ2:全身麻酔をかけます
麻酔担当のスタッフが、血圧・心電図・SpO2・EtCO2・体温を継続的に監視します。歯科処置だからと麻酔を軽く見ることはしません。
ステップ3:口全体を撮影します
センサーを口の中に置き、数枚から十数枚に分けて撮影します。歯は本数が多く、1枚では全体が写らないためです。
ステップ4:画像をもとに処置内容を決めます
どの歯を残し、どの歯を抜くかを、骨の状態から判断します。処置の途中で気になる部位を追加撮影することもあります。
ステップ5:画像をお見せしながらご説明します
処置後に、どの歯にどのような変化があったのかをご覧いただきます。なぜその判断になったのかを、画像とあわせてご説明します。
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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)
より深く知りたい方のために、信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。
- 犬と猫の歯科ガイドライン/WSAVA(世界小動物獣医師会・英語) — 歯科処置に麻酔と歯科レントゲンが必要とされる根拠を含む国際ガイドライン。
- 小動物の歯周病/MSD獣医マニュアル・獣医師向け(英語) — 歯周病の進行と診断・処置について専門的に解説。

