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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

RAGDOLL

ラグドールの特徴とかかりやすい病気

おっとりした大型の猫種。ラグドール特有の遺伝子変異による肥大型心筋症(HCM)に注意が必要です。

ラグドールは、おっとりとした性格と美しい被毛をもつ大型の猫種です。この猫種にはラグドール固有の遺伝子変異による肥大型心筋症(HCM)が知られ、比較的若い時期に発症しうることがわかっています。だからこそ、若いうちからの心臓チェックが大切な備えになります。

  • 好発疾患
  • アニコム 猫種ランキング上位

アニコムの猫種ランキングで上位に入る、ぬいぐるみのような愛らしさで人気のラグドール。抱かれると力が抜けるおおらかな性格で知られますが、健康面ではこの猫種に固有の遺伝性心疾患を正しく理解しておくことが何より大切です。ここでは、来院前の予習として、ラグドールで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

ラグドールってどんな猫?

1960年代のアメリカ・カリフォルニアで作られた猫種です。抱き上げると布の人形(ラグドール)のように力を抜くことが、その名の由来といわれます。青い瞳とポイントカラー、絹のような半長毛が特徴。大型で、体が完成するまでに3〜4年かかります。

性格の傾向

穏やかでおっとりしていて、人が大好き。部屋から部屋へついて回る、犬のような一面を見せる子もいます。鳴き声は小さめで、争いを好みません。この気質が、この猫種の最大の個性です。

暮らし方・お手入れ

半長毛ですが下毛が少なめで、週数回のブラッシングで整います。争いを避ける性格ゆえ外の世界では身を守れないため、完全室内飼育が前提です。大型なので、トイレや爪とぎは体格に合った大きめのものを用意してください。

ここがたまらない

抱き上げた瞬間、すっと体の力が抜けるあの感触。吸い込まれるような青い瞳。大きく育っても、性格は子猫のままのようなおおらかさ。「猫は抱っこが嫌い」という常識が、この子たちには当てはまりません。

02

とくに知っておきたい好発疾患

肥大型心筋症(HCM)

Hypertrophic Cardiomyopathy

心臓の壁(とくに左心室)が厚くなり、血液を送り出す働きが低下する猫でもっとも多い心臓病です。ラグドールでは、この猫種に固有の遺伝子変異(MYBPC3 R820W)が原因のひとつとして同定されています。特徴は発症が比較的早いことで、変異をもつ子では若い時期から変化が始まることがあります。初期は無症状のことが多いため、若いうちからの心エコー検査と、必要に応じた遺伝子検査での備えが重要です。

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尿石症(シュウ酸カルシウム尿石など)

Urolithiasis

尿路に結石ができる病気で、ラグドールはリスクが高まる猫種として報告されています。血尿、頻回にトイレへ行く、排尿時に鳴くなどが典型的なサイン。とくにオスは結石や結晶が尿道に詰まると命に関わるため、排尿の異変には注意が必要です。水分摂取と日々のトイレ観察が予防の基本になります。

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多発性嚢胞腎(PKD)

Polycystic Kidney Disease

腎臓に多数の嚢胞(液体のふくろ)ができ、加齢とともに腎機能が低下していく遺伝性の病気です。ラグドールでの保有率はペルシャほど高くないとされますが、念のため気にかけておきたい病気です。遺伝子検査や超音波検査で確認でき、早く把握できれば、腎臓をいたわる食事や定期的なモニタリングで進行にそなえられます。

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03

見逃したくない初期サイン

呼吸

安静時の呼吸が速い・浅い・元気食欲の低下

後肢

突然後ろ足が動かない・冷たい・強く痛がる(緊急)

尿

トイレの回数が増える・血尿・排尿時に鳴く

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。後ろ足の急な麻痺は緊急事態ですので、すぐにご連絡ください。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1若いうちから心臓を検査する

    ラグドールのHCMは早期に始まりうるため、1歳前後からの心エコー検査が大切です。必要に応じて遺伝子検査(MYBPC3 R820W)も組み合わせ、計画的に見守りましょう。

  2. ステップ2適正体重を保つ

    体重管理は心臓・関節・全身の健康の土台です。大型の猫種ですが、太らせないことが各臓器の負担を減らします。食事量をご相談ください。

  3. ステップ3水をたくさん飲める環境をつくる

    尿石の予防には水分摂取が重要です。水飲み場を複数用意する、ぬるま湯や流れる給水器を試すなど、その子の好みに合わせて工夫しましょう。

  4. ステップ4トイレを毎日観察する

    排尿の回数・量・色を確認します。血尿や排尿時の鳴き、頻回のトイレはサインです。とくにオスの尿道閉塞は緊急ですので、早めの受診を。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    心臓(心エコー)・腎臓(血液・尿・超音波)・尿を定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。猫種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ラグドールは、原因遺伝子が同定されている数少ない猫種のひとつだからこそ、遺伝子検査と心エコーを組み合わせた「先回りの見守り」が可能です。おだやかで長く寄り添ってくれる猫種だからこそ、若いうちから心臓・腎臓・泌尿器を一緒に見守り、選択肢を広げていきます。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

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Q&A

よくあるご質問

ラグドールの心臓病は、他の猫種と何が違いますか?
ラグドールでは、この猫種に固有の遺伝子変異(MYBPC3 R820W)が肥大型心筋症(HCM)の原因として同定されています。特徴は発症が比較的早いことで、変異をもつ子では若い時期から心臓の変化が始まることがあります。遺伝子検査で変異の有無を調べられ、心エコー検査とあわせることで、若いうちから計画的に見守ることができます。
遺伝子検査で「変異なし」なら心臓は安心ですか?
固有の変異がないことは安心材料ですが、それだけでHCMを完全に否定できるわけではありません。肥大型心筋症は他の要因でも起こりうるため、遺伝子検査は心エコー検査を置き換えるものではなく、補い合うものと考えてください。変異の有無にかかわらず、定期的な心臓のチェックをおすすめします。
突然、後ろ足を引きずって激しく鳴いています。
心臓病を背景に血のかたまり(血栓)が動脈に詰まる「大動脈血栓塞栓症」の可能性があり、緊急事態です。突然後ろ足が動かない・冷たい・強い痛みで鳴く、といった様子は一刻を争います。すぐにご連絡のうえ来院してください。ラグドールのようにHCMに注意したい猫種では、こうした急変の知識をもっておくことが大切です。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。