丸い顔と密な被毛、落ち着いた性格で愛されるブリティッシュ・ショートヘア。健康面では「心臓(肥大型心筋症)」と、祖先にペルシャをもつことに由来する「腎臓(多発性嚢胞腎)」が注意点です。ここでは、来院前の予習として、この猫種で比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。
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ブリティッシュ・ショートヘアってどんな猫?
イギリスに古くから暮らし、納屋や街でネズミを捕っていた土着の猫を基礎に、ペルシャなどを交配して確立された猫種です。丸い頭と太い首、がっしりした体、そして密に立ち上がる短毛が特徴。青灰色の毛色は「ブリティッシュ・ブルー」として広く知られています。
性格の傾向
落ち着いていてマイペース。人のことは大好きですが、べたべた抱かれるのはあまり得意でない子が多く、少し離れた場所で同じ時間を過ごすのを好みます。物音や環境の変化にも動じにくく、留守番が比較的得意な猫種です。
暮らし方・お手入れ
密な被毛は換毛期に抜けるため、ブラッシングで通気を保ちます。自分から激しく動くタイプではないので、遊びに誘う時間を飼い主さんがつくってあげることが大切です。体重は定期的に測る習慣をおすすめします。
ここがたまらない
まんまるな顔とむちむちした体つき、テディベアのような手触り。呼んでも来ないのに、気づけば同じ部屋にいる絶妙な距離感。この落ち着きが、暮らしの空気をやわらげてくれます。
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とくに知っておきたい好発疾患
Hypertrophic Cardiomyopathy
心臓の筋肉が厚くなり、猫でもっとも多い心臓病です。デンマークの研究では、ブリティッシュ・ショートヘアのオスで約20%、メスで約2%に認められたと報告され、とくにオスで注意が必要です。初期は無症状で、健診の聴診や心エコーで見つかることが多くあります。呼吸の速さや食欲低下、後ろ足の急なまひ(血栓症)が出てからでは進行していることもあるため、若いうちからの心エコーでの経過観察をおすすめします。
Polycystic Kidney Disease
腎臓に多数の嚢胞(液体のふくろ)ができ、加齢とともに腎機能が低下していく遺伝性の病気です。ブリティッシュ・ショートヘアは祖先にペルシャをもつため、この病気の素因が受け継がれていることがあります。超音波検査で嚢胞の有無を確認でき、遺伝子検査で保因の有無も調べられます。早期に把握できれば、腎臓に配慮した食事管理や定期的なモニタリングで進行をゆるやかに支えられます。
Urolithiasis / FLUTD
がっしりした体型で運動量が控えめになりやすい猫種では、尿石症をはじめとする下部尿路のトラブルにも注意します。頻繁にトイレに行く・排尿時に鳴く・血尿・トイレ以外での粗相はサインです。とくにオスは尿道が細く、結石や結晶で尿道が詰まると命に関わる緊急事態になります。十分な飲水と適正体重の維持、トイレを清潔に保つことが予防の基本です。
03
見逃したくない初期サイン
心
呼吸が速い・元気がない・後ろ足の急なまひ
腎
多飲多尿・食欲低下・体重減少
尿
頻繁にトイレ・排尿時に鳴く・血尿
これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。
04
ご家庭でできる予防・健康管理
ステップ1:適正体重を保つ
がっしり体型で太りやすい猫種です。肥満は心臓・関節・泌尿器すべての負担になります。体重と体型(ボディコンディション)を定期的にチェックし、食事量を管理しましょう。
ステップ2:水をしっかり飲める環境をつくる
複数の給水場所、こまめな水替え、ウェットフードの活用などで飲水量を増やすと、尿石症など下部尿路のトラブル予防になります。
ステップ3:トイレの様子を毎日観察する
排尿の回数・量・色、排尿時の様子を見守ります。とくにオスで「トイレに行くのに出ない」ときは緊急のサインです。すぐに受診してください。
ステップ4:心臓と腎臓の定期チェックを受ける
無症状のうちに変化を捉えるために、年1回以上の健診で聴診・体重測定を。必要に応じて心エコーや腎臓の超音波検査を組み合わせます。
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当院の考え方
古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。猫種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ブリティッシュ・ショートヘアのように穏やかで長く暮らす猫種だからこそ、心臓と腎臓を若いうちから一緒に見守ります。とくに肥大型心筋症は無症状の時期に見つけて経過を追うことが、その後の選択肢を広げる鍵になります。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。
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かかりやすい病気(当院の解説ページ)
ブリティッシュ・ショートヘアで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

