股関節形成不全そのものの概要・診断・治療全体の考え方については、犬の股関節形成不全のページをご覧ください。このページでは、骨盤骨切り術(DPO/TPO)の内容と適応について解説します。
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この手術の目的と適応
骨盤骨切り術は、股関節の受け皿(寛骨臼)を切り離して回転させ、大腿骨頭への被さりを深くする手術です。ゆるくて浅い股関節を、より安定したかみ合わせに作り変えます。
対象となるのは、関節にゆるみはあるが、関節炎(変形性関節症)の変化がまだ出ていない若齢犬です。年齢の目安はおよそ6〜10ヶ月。若い骨は、かみ合わせが深くなると受け皿が刺激を受けてさらに深く成長し、大腿骨頭も安定した位置で正常に育っていくことが期待できます。
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DPOとTPOの違い
三重骨盤骨切り術(TPO)
Triple Pelvic Osteotomy
骨盤を3か所(腸骨・恥骨・坐骨)で切り、受け皿を含む骨片を回転させて、専用のプレートで固定する従来法。しっかり回転量を確保できます。
二重骨盤骨切り術(DPO)
Double Pelvic Osteotomy
切る箇所を2か所(坐骨を切らない)に減らした改良法。骨盤の安定性を保ちやすく、術後の痛みや回復の負担を軽くしやすいとされます。
いずれも、切り離した受け皿の骨片を適切な角度に回転させ、大腿骨頭を深く覆う位置で専用のプレート・スクリューで固定します。どちらが適しているかは、年齢・関節のゆるみの程度・骨盤の状態から判断します。
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手術の流れ
ステップ1:適応の判断(レントゲン・関節のゆるみの評価)
関節炎の変化がないか、ゆるみを回転で改善できるかを評価し、適応と回転量を計画します。
ステップ2:術前検査・手術のご説明(別日)
麻酔のための術前検査を行い、手術の内容・回復の見通しをくわしくご説明します。
ステップ3:手術当日:絶食で来院
当日は食事を抜いてご来院ください(お水は飲ませていただいてかまいません)。
ステップ4:手術・麻酔覚醒後にご連絡
骨盤を切り、受け皿を回転させてプレートで固定します。麻酔から覚めたらお電話でご報告します。
ステップ5:入院・退院・抜糸
数日の入院の後に退院し、7〜10日ほどで抜糸・再診を行います。
ステップ6:定期的なレントゲンで骨の癒合を確認
骨切りした部分がしっかり癒合するまで、経過に合わせてレントゲンで確認します。
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術後の経過とリハビリ
骨を切って固定する手術のため、骨が癒合するまでの安静がとても大切です。多くはおよそ6週間、運動を制限しながら過ごします。
- 術後しばらくは、リードでの短い排泄散歩など、行動を制限します
- レントゲンで骨の癒合を確認しながら、少しずつ運動を再開します
- 反対側の股関節にも形成不全がある場合は、時期をずらして両側を手術することがあります
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予後・起こりうる合併症
関節炎になる前の適切な症例で行えた場合、良好〜非常に良好な股関節機能が期待できます。合併症の頻度は比較的低い術式ですが、以下のようなことが起こり得ます。

