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MALTESE

マルチーズの特徴とかかりやすい病気

純白の被毛をもつ愛玩犬。膝・心臓に加え、門脈体循環シャントなどにも留意する犬種です。

マルチーズは絹のような純白の被毛をもつ、古くから愛されてきた愛玩犬です。穏やかで人懐こい一方、健康面では膝や心臓、気管といった小型犬共通の注意点に加え、若齢期に見つかることのある門脈体循環シャントや神経の病気にも留意します。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、早めに知って備えることで、その子らしい毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 上位

絹のような純白の被毛で古くから愛されてきたマルチーズ。穏やかな性格の愛玩犬ですが、健康面では「小さな体格」と「この犬種で知られる肝臓・神経の病気」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、マルチーズで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

マルチーズってどんな犬?

地中海のマルタ島に由来するといわれる、記録に残る中でも古い愛玩犬のひとつです。純白のシングルコートは伸ばせば床につくほど長くなり、抜け毛は少ないかわりに毛玉ができやすい被毛。体重は2〜3kg台が中心です。

性格の傾向

穏やかで人が大好き。長い歴史のなかで「人のそばで暮らす」ことを役割としてきた犬種で、抱っこや膝の上を好みます。人への思いが強いぶん、留守番が苦手な子も。見た目の優雅さに反して、遊びは意外と活発です。

暮らし方・お手入れ

毎日のブラッシングと定期的なトリミングが基本です。目の下の涙やけや口周りの汚れは、こまめに拭いて乾かすと皮膚トラブルを防げます。運動量は多くありませんが、外の世界に慣らす意味でも散歩の時間は大切です。

ここがたまらない

絹糸のような白い毛が揺れる歩き方。まっすぐこちらを見つめる黒い瞳と鼻。ソファに座ると当然のように膝を定位置にする、あの遠慮のない甘え方。清楚な見た目と甘えん坊の中身のギャップが魅力です。

02

とくに知っておきたい好発疾患

膝蓋骨脱臼(パテラ)

Patellar Luxation

膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれる、小型犬でもっとも身近な整形疾患です。マルチーズを含む小型犬で好発し、若齢から見つかることもあります。「後ろ足を一瞬あげてケンケンする」「スキップのような歩き方」はサインの一つ。早期に気づけば、将来の関節炎リスクを下げられます。

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僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

Myxomatous Mitral Valve Disease

心臓の弁が加齢とともに変性し、血液が逆流する小型犬の代表的な心臓病です。マルチーズも好発犬種として挙げられます。初期は無症状で、健診時の心雑音で見つかることが多くあります。咳・疲れやすさが出てからでは進行していることもあるため、シニア期は定期的な聴診・心エコーをおすすめします。

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気管虚脱

Tracheal Collapse

気管がつぶれて空気の通り道が狭くなり、「ガーガー」というアヒルのような咳が出る小型犬に多い病気です。興奮時・飲水時・気温が高いときに悪化しやすく、進行すると呼吸困難につながることもあります。体重管理と首まわりへの負担軽減が大切で、散歩には首輪よりハーネスをおすすめします。

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歯周病

Periodontal Disease

小さな口に歯が密集するため歯垢が停滞しやすく、小型犬では歯周病リスクが高いことが知られています。口臭・歯石・歯ぐきの赤みは受診のサイン。子犬のうちからの歯みがき習慣が最大の予防です。

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03

見逃したくない初期サイン

ケンケン歩き・後ろ足を一瞬あげる

成長が遅い・食後にふらつく・よだれ

発作・旋回・ふらつき・行動の変化

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。とくに神経のサインは、早い評価が大切です。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1子犬の成長と食後の様子を見守る

    成長がゆっくり、食後にぼんやりする・ふらつくといった様子は、肝臓(門脈体循環シャント)を確認するきっかけになります。気になれば早めにご相談ください。

  2. ステップ2滑りにくい床環境をつくる

    フローリングにマットを敷き、爪と足裏の毛を整えます。膝・関節への負担を減らし、整形疾患の予防になります。

  3. ステップ3首輪よりハーネスを使う

    首まわりへの圧迫を減らすことで、気管への負担を軽くできます。散歩時の「ガーガー」という咳が気になる子はとくにおすすめです。

  4. ステップ4子犬期から歯みがきと目のケアを習慣に

    毎日の歯みがきが歯周病予防の要です。あわせて、目のまわりを清潔に保ち、涙やけや目の変化に早く気づけるようにしましょう。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    心臓(聴診・心エコー)・肝臓・膝・歯を定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。マルチーズでは、膝や心臓といった一般的な注意点に加え、門脈体循環シャントや神経の病気のように「気づきにくいけれど早期評価が効く」病気があります。当院が大切にする1.5次診療の視点で、必要な検査のタイミングを見極め、内科的な管理から専門的な検査・治療が必要な場合の提携施設のご紹介まで、選択肢を一緒に広げていきます。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

ほかの探し方

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Q&A

よくあるご質問

子犬のときから体が小さめで、食後にぼんやりします。関係ありますか?
マルチーズなどの小型犬で若齢のうちに見つかることがある門脈体循環シャントの可能性を考える必要があります。これは、本来肝臓で解毒される血液が肝臓を通らずに全身へ回ってしまう血管の異常です。成長がゆっくり、食後にふらつく・ぼんやりする・よだれが多い、といったサインが重なるときは、血液検査や画像検査での確認をおすすめします。早く気づくほど、食事や内科的な管理、外科的な選択肢まで含めて相談しやすくなります。
マルチーズは涙やけしやすいですが、病気なのでしょうか?
白い被毛のマルチーズでは涙やけ(目の下の毛の変色)が目立ちやすく、多くは体質的なものです。ただ、涙が増える背景に、逆さまつげ・涙の通り道の詰まり・結膜炎・目の表面の刺激などが隠れていることもあります。急に涙や目やにが増えた、目を気にしてこする、白目が赤い、といった変化があるときは一度診察をおすすめします。原因に応じたケアで、快適さと見た目の両方を整えられることがあります。
急にふらついたり、けいれんを起こしたりしました。何が考えられますか?
いくつかの原因が考えられますが、マルチーズを含む小型犬では、脳に炎症が起こる壊死性髄膜脳炎という病気が知られています。発作・ふらつき・旋回・元気消失・行動の変化などが比較的若い年齢で現れることがあります。原因はさまざまで、低血糖など他の病気のこともあるため、症状の様子(できれば動画)を持って早めにご相談ください。神経の症状は早い評価が大切です。落ち着いて、まずはお電話ください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。