本文へスキップ
古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

CAVALIER KING CHARLES SPANIEL

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴とかかりやすい病気

穏やかで愛情深い犬種。僧帽弁閉鎖不全症と脊髄空洞症の好発犬種として、心臓と神経のケアが要になります。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、優しい目もととおおらかな性格で家庭に寄り添う犬種です。愛情深い伴侶犬である一方、この犬種を象徴する二つの病気——心臓の僧帽弁閉鎖不全症と、神経の脊髄空洞症——には、若いうちからの見守りが欠かせません。好発はあくまで「かかりやすい傾向」。早めに知って備えることで、その子らしい毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 上位

優しい表情と絹のような被毛、人にも他の動物にもおおらかに接する性格で愛されるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。伴侶犬として理想的なこの犬種には、心臓と神経を中心に、若いうちから知っておきたい健康上の注意点があります。ここでは、来院前の予習として、キャバリアで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

キャバリアってどんな犬?

イギリスで、チャールズ2世が愛したトイ・スパニエルの姿を復元しようとして確立された犬種です。正式名はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。長い飾り毛の垂れ耳と、絹のような被毛、大きな丸い目が特徴で、体重は6〜8kgほどです。

性格の傾向

穏やかで愛情深く、誰にでも優しく接します。攻撃的な面がとても少なく、初めて犬と暮らすご家庭や、子ども・高齢のご家族がいる環境にも向くと言われます。人と一緒にいたい気持ちが強く、長い留守番は苦手な子が多い犬種です。

暮らし方・お手入れ

週数回のブラッシングで飾り毛の毛玉を防ぎます。垂れ耳は蒸れやすいので、においや赤みを時々チェックしましょう。運動は毎日の散歩で十分ですが、遊ぶのも大好き。太りやすい面があるため、体重は定期的に測ってください。

ここがたまらない

こちらの気持ちを察したように、そっと体を寄せてくる寄り添い方。見上げてくるつぶらな瞳。ふわりと揺れる耳の飾り毛。「そばにいること」がこれほど上手な犬種は多くありません。

02

とくに知っておきたい好発疾患

僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

Myxomatous Mitral Valve Disease

心臓の弁が変性し、血液が逆流する小型・中型犬の代表的な心臓病です。キャバリアはこの病気の象徴的な好発犬種で、他の犬種より若い年齢から発症し、8歳を超えるとほとんどの子に心雑音が認められると報告されています。初期は無症状で、健診の聴診で見つかることが多くあります。咳・疲れやすさ・呼吸が速いといった症状が出る前から、定期的な聴診・心エコーで経過を見ることが大切です。

この疾患を詳しく見る →

キアリ様奇形・脊髄空洞症(CM/SM)

Chiari-like Malformation / Syringomyelia

頭蓋骨の形の関係で脳の一部が押し出され、脊髄の中に空洞(液体のたまり)ができる神経の病気です。キャバリアで極めて高頻度にみられ、首や肩の痛み・過敏さ、そして何もない空間をかこうとする「エア・スクラッチ」が特徴的なサインです。程度はさまざまで、無症状のこともあれば痛みの管理が必要なこともあります。皮膚や耳に問題がないのにかき続ける場合は、神経の評価をおすすめします。

この疾患を詳しく見る →

外耳炎

Otitis Externa

垂れ耳で耳道が蒸れやすく、キャバリアは外耳炎が比較的多い犬種です。耳をかく・頭を振る・においが強い・耳の中が赤い、は受診のサイン。放置すると慢性化して治りにくくなるため、日頃から耳のチェックを習慣にし、早めのケアを心がけましょう。

この疾患を詳しく見る →

歯周病

Periodontal Disease

小型・中型の犬種は歯が密集して歯垢が停滞しやすく、キャバリアでも歯周病が比較的多くみられます。口臭・歯石・歯ぐきの赤みや出血は受診のサイン。歯周病は心臓病を含む全身の健康にも関わるため、若いうちからの歯みがき習慣が大切な予防になります。

この疾患を詳しく見る →

03

見逃したくない初期サイン

心臓

咳・疲れやすい・呼吸が速い・運動を嫌がる

神経

首肩をかく・エアスクラッチ・触ると痛がる

耳をかく・頭を振る・においが強い

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。とくに心臓と神経の変化は、早めの評価が大切です。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1定期的に心臓をチェックする

    僧帽弁閉鎖不全症は無症状のうちに始まります。若いうちから聴診を受け、心雑音があれば心エコーで経過を追いましょう。早く知るほど、進行に応じた選択肢が広がります。

  2. ステップ2神経のサインを見逃さない

    首や肩をしきりにかく・エアスクラッチ・触れると痛がるといった様子は、動画に記録しておくと診察に役立ちます。皮膚や耳に異常がないのにかき続ける場合はご相談ください。

  3. ステップ3耳と歯のケアを習慣にする

    垂れ耳の内側を定期的にチェックし、清潔に保ちます。歯みがきは歯周病予防の要で、全身の健康にもつながります。子犬のうちから少しずつ慣らしましょう。

  4. ステップ4適正体重と無理のない運動を保つ

    体重管理は心臓・関節への負担を減らす基本です。運動は大切ですが、咳や疲れやすさが出るときは無理をさせず、運動量を担当獣医師と相談しましょう。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    心臓(聴診・心エコー)・耳・目・歯を定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。シニア期はより頻回の健診が安心です。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。キャバリアの僧帽弁閉鎖不全症や脊髄空洞症は、早く知って定期的に見守ることで、症状が出る前から準備ができ、選択肢を最大化できます。おおらかで愛情深いキャバリアとの毎日を長く穏やかに過ごせるよう、心臓と神経の小さな変化を、私たちと一緒に見守っていきましょう。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

はじめてご来院される方へ

ご予約から診察・治療方針のご提案までの流れを、わかりやすくまとめています。

はじめての方はこちら

Q&A

よくあるご質問

キャバリアを迎えました。まず何に気をつければいいですか?
この犬種でいちばん大切なのは、心臓(僧帽弁閉鎖不全症)を定期的にチェックすることです。初期は無症状で、健診時の心雑音で見つかることがほとんどです。若いうちから聴診を受け、必要に応じて心エコーで経過を見ていきましょう。あわせて、首や肩をしきりにかく・触れると痛がるといった神経のサイン(脊髄空洞症)にも注意してください。気になることがあれば、どんな小さなことでもご相談ください。
キャバリアは心臓病になりやすいと聞きました。本当ですか?
はい。キャバリアは僧帽弁閉鎖不全症の代表的な好発犬種で、他の犬種より早い年齢から発症し、高齢ではほとんどの子に心雑音が認められると報告されています。ただし「好発=すぐに命に関わる」ではありません。無症状の段階で見つけて定期的に経過を見ることで、進行に応じた適切な対応ができます。咳・疲れやすさ・呼吸が速いといった変化に気づいたら、早めにご相談ください。
空中をかくような仕草や、首をしきりにかく様子があります。何でしょうか?
何もない空間をかこうとする「エア・スクラッチ(phantom scratching)」や、首・肩をしきりにかく・触れると痛がるといった様子は、キャバリアに多い脊髄空洞症(キアリ様奇形に伴う)のサインであることがあります。皮膚や耳に異常がないのにかき続ける場合は、神経の評価が必要になることがあります。動画に記録していただくと診察がスムーズです。気になる様子があれば早めにご相談ください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。