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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

TRAUMA

外傷・事故

「見た目は元気そう」でも、体の中で出血が起きていることがあります

交通事故・高所からの落下・動物同士のケンカ(咬傷)などの外傷では、外から見える傷は氷山の一角です。胸やお腹の中の出血、臓器の損傷、ショックは、直後は元気そうに見えても数時間〜数日で命に関わることがあります。事故にあったら、見た目の程度にかかわらず、まず受診してください。

  • 救急・集中治療科
  • 緊急

この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。

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病気の概要

外傷(がいしょう、Trauma)は、交通事故・落下・咬傷・打撲など、外からの強い力によって体が傷ついた状態です。皮膚の傷や骨折など目に見えるケガに目が行きがちですが、外傷でほんとうに怖いのは、外から見えない体の中の損傷です。

強い衝撃は、胸やお腹の中で出血を起こしたり、肺・肝臓・脾臓・膀胱などの臓器を傷つけたり、横隔膜を破ったりします。これらは、事故の直後には元気そうに見えても、数時間から1〜2日たってから急に悪化することがあります。また、痛みと出血はショック(全身に血液が回らない危険な状態)を引き起こします。だからこそ、外傷は「見た目のケガの手当て」だけでなく、全身をくまなく評価することが欠かせません。事故にあったら、程度にかかわらず一度受診する——これが、その子を守る最も確実な方法です。

氷山の一角

外から見える傷は、体内の損傷のごく一部のことがある

24〜48時間

内臓損傷などが遅れて症状に現れることがある時間の目安

まず全身評価

傷の手当てより先に、呼吸・循環・ショックの評価を優先

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外から見えない、こんな損傷が起こります

外傷では、皮膚の傷の下や体の奥で、命に関わる損傷が同時に起きていることがあります。当院では、目に見える傷だけで安心せず、全身を系統立てて調べます。

胸の損傷(呼吸に直結)

肋骨の骨折、肺の損傷(肺挫傷)、胸に空気や血液がたまる状態(気胸・血胸)などです。呼吸が速い・苦しそう・浅いなどのサインが出ます(関連:胸水・気胸呼吸困難・ショック)。

お腹の損傷・内出血

肝臓・脾臓・腎臓の損傷による腹腔内出血、膀胱の破裂などです。急にぐったりする・歯ぐきが白い・お腹が張るなどが手がかりになります(関連:急性腹症)。

横隔膜ヘルニア

胸とお腹を仕切る横隔膜が破れ、お腹の臓器が胸へ入り込む状態です。交通事故で起こりやすく、肺が圧迫されて呼吸が苦しくなります。手術が必要になることがあります。

頭・背骨・神経の損傷

頭部外傷による意識の低下、背骨の損傷による麻痺などです。ふらつく・立てない・反応が鈍い・足が動かないなどがサインです。運ぶときに背骨を動かさない配慮が重要になります。

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ショックのサインを見逃さない

外傷では、痛み・出血・臓器の損傷から「ショック」が起こります。ショックは、全身に血液(=酸素)が回らなくなる危険な状態で、早く気づくことが救命につながります。

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応急処置と、安全な運び方

事故の現場では、ご自身の安全を確保したうえで、落ち着いて対応してください。痛みと恐怖から、ふだんおとなしい子でも噛むことがあります。

  1. ステップ1まず自分の安全と、周囲の安全を確保

    道路上なら、二次事故を避けて安全な場所へ。パニックの子は噛むことがあるため、厚手のタオルや上着で体を包むと、落ち着かせつつ安全に扱えます。

  2. ステップ2出血は「直接圧迫」で止める

    出血している場所を、清潔なガーゼ・タオルで数分間しっかり押さえます。血がにじんでも布は外さず、上から重ねます。止血帯(手足を縛る方法)は誤ると危険なため、基本は行いません。

  3. ステップ3無理に動かさず、水平を保って運ぶ

    背骨や骨折を疑うときは、板・毛布を担架のように使い、体を曲げず水平を保って運びます。小型犬・猫は、しっかりした箱・キャリーへ。揺らさず安静にします。

  4. ステップ4呼吸の妨げを作らない

    噛みつき防止でタオルを使う場合も、呼吸が苦しそうな子の口・鼻を覆わないよう注意します。嘔吐しているときは、吐いたものを詰まらせないよう横向きにします。

  5. ステップ5連絡してから、すぐ受診

    応急処置と並行して、動物病院へご連絡ください。事故の内容(何に・どのくらいの強さで)、意識・呼吸の様子を伝えていただけると、受け入れ準備が整います。

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診断・治療

来院後は、傷の手当てより先に、命に関わる異常(呼吸・循環・ショック)がないかを系統立てて評価します。安定化と検査・治療を同時に進めます。

  1. ステップ1トリアージ(緊急度の評価)と安定化

    呼吸・循環・意識・出血の状態を素早く評価し、ショックがあれば点滴・酸素などで安定化を始めます。命に直結する問題から順に対応します。

  2. ステップ2全身の系統的なチェック

    頭からしっぽ、皮膚から体の奥まで、見落としがないよう全身を調べます。胸・お腹・骨・神経・目に見えない損傷を、順に評価します。

  3. ステップ3画像・血液検査で体内を評価

    レントゲンで骨折・胸やお腹の異常(気胸・横隔膜ヘルニアなど)を、超音波でお腹や胸の出血を確認します。血液検査で出血・臓器・ショックの程度を評価します。

  4. ステップ4止血・創処置・骨折や臓器損傷への対応

    出血のコントロール、傷の洗浄・処置、痛みの管理を行います。骨折・横隔膜ヘルニア・臓器損傷・腹腔内出血などは、状態に応じて手術が必要になります。

  5. ステップ5入院での経過観察(遅発性の損傷に備える)

    外傷は、あとから症状が出ることがあります。落ち着いて見えても、必要に応じて入院でモニタリングし、遅れて現れる内出血・臓器障害・感染を早くつかみます。

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予防と、当院の考え方

外傷の多くは、環境を整えることで防げます。当院は「起きてからの対応」と同じくらい、起こさない工夫を大切にしています。

  • 交通事故を防ぐ……散歩はリードを必ず着け、道路への飛び出しに注意。庭・玄関からの脱走対策を。
  • 落下を防ぐ……ベランダ・窓・階段に柵やネットを。猫は高所からの落下(ハイライズ症候群)に注意します。
  • 咬傷を防ぐ……初対面の犬・猫を無理に近づけない。多頭飼育では相性と逃げ場に配慮を。
  • 迷子・事故に備える……マイクロチップ・迷子札を。夜間救急の連絡先を控えておきましょう。

外傷は、突然の出来事です。当院は「言葉の奥に耳を澄ます(Empathize)」という価値観のもと、動揺されているご家族の気持ちに寄り添いながら、今できること・見込みを正直にお伝えします。その子とご家族が、これからも安心して過ごせることを目標に、最善の選択肢へ最短でつなぎます。

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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

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Q&A

よくあるご質問

車にぶつかりましたが、自分で歩いていて元気そうです。受診は必要ですか?
はい、必ず受診してください。交通事故で最も怖いのは、外から見えない体の中の損傷です。胸やお腹の中の出血、肺の損傷、横隔膜の破れ(横隔膜ヘルニア)、膀胱の破裂などは、直後は元気そうに見えても、数時間〜1〜2日たってから急に悪化することがあります。「歩けるから大丈夫」ではなく、事故にあった時点で一度診せていただくことが大切です。受診までは、興奮させず安静に保ち、無理に動かさないでください。
出血しています。家でできる応急処置はありますか?
出血している場所を、清潔なガーゼやタオルで直接、数分間しっかり押さえてください(直接圧迫)。血がにじんでも、押さえていた布は外さず、上から重ねます。手足を縛って血を止める方法(止血帯)は、やり方を誤ると組織を傷めるため、基本はおすすめしません。強く痛がる子・パニックの子は、噛まれないよう注意し、タオルで体を包むなどして落ち着かせます。応急処置と並行して、すぐにご連絡のうえ受診してください。到着前のお電話で状態を伺えると、準備を整えてお待ちできます。
ケガをした子を、どう運べばいいですか?触ると痛がって噛もうとします。
痛みと恐怖から、ふだんおとなしい子でも噛むことがあります。まずご自身の安全を確保してください。小型犬・猫はしっかりした箱やキャリーに、大型犬は板やバスタオル・毛布を担架のようにして、背骨や骨折部を曲げないよう水平を保って運びます。噛みつく恐れがあるときは、呼吸を妨げない範囲でタオルで包む・厚手の手袋を使うなどしますが、呼吸が苦しそうな子の口を覆うのは避けてください。揺らさず、できるだけ安静に。運び方に迷ったら、電話でご相談ください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。