前十字靭帯断裂そのものの概要・進行のしくみ・診断については、前十字靭帯断裂のページをご覧ください。このページでは、手術を検討される方に向けて、術式と術後の過ごし方を解説します。
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手術の目的と適応
外科治療の目的は、断裂した靭帯を「元に戻す」ことではなく、膝関節にかかる異常な力をコントロールし、安定した歩行を取り戻すことです。犬では、体重がかかった際に生じる脛骨の前方滑り(cranial tibial thrust)を抑えることが、外科治療の基本的な考え方になります。
症例のサイズ・活動性・膝蓋骨脱臼の有無・脛骨高平角などによって、次の術式から最適なものを選択します。
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主な術式
代表的な術式は3つです。ここでは概要と選び方をまとめています。各術式の原理・手術の流れ・術後の経過・合併症は、それぞれの専用ページで詳しく解説しています。
TPLO:脛骨高平部水平化骨切り術
Tibial Plateau Leveling Osteotomy
脛骨を回転させて高平部の角度を調整し、体重負荷時の前方滑り(cranial tibial thrust)を力学的に無効化する手術。靭帯がなくても関節が安定します。
TTA:脛骨粗面前進術
FLO法:関節外制動術
Lateral Fabello-Tibial Suture
人工靭帯(ナイロン糸など)でファベラと脛骨を結紮し、関節の外から膝を制動する手術。骨切りを行わず、侵襲が比較的少なく手術時間も短めです。
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術式の選び方
どの術式が良いかは一律には決まりません。体格・活動性・膝蓋骨脱臼の有無・脛骨高平角、そして年齢や持病といった条件を合わせて判断します。
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術後管理とリハビリテーション
前十字靭帯断裂の外科治療では、手術そのものと同じくらい術後管理とリハビリが重要です。術後の過ごし方次第で、回復のスピードや最終的な歩行機能が大きく変わります。
術後早期(〜2週間)
安静と痛みの管理
滑らないようにし、区切った区画の中で安静に/散歩は短時間・リード着用での排泄のみ/創部の管理と感染予防/痛みのコントロール。無理に歩かせないことが最も重要です。
リハビリ期(2〜8週)
段階的な運動再開
徐々に行動範囲を広げ歩行距離を延ばす/後肢筋力の回復運動/関節可動域を保つリハビリ/必要に応じて水中トレッドミルなどの理学療法。
長期管理(8週〜)
復帰と再発予防
通常運動への段階的復帰/体重管理/関節ケアの継続/定期的なフォローアップ。TPLO・TTAではレントゲンで骨癒合を確認しながら、およそ半年後まで経過を追います。
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起こりうる合併症
外科治療は高い成功率を持つ一方で、すべての手術には一定のリスクが伴います。

