
PALLIATIVE & END-OF-LIFE CARE
緩和ケア・看取り
その子とご家族が、穏やかに過ごせる時間のために。
病気と向き合う時間が長くなったとき、あるいは残された時間が見えてきたとき。痛みや苦しさを和らげ、その子らしく過ごせる毎日を支えることも、大切な医療です。最期の迎え方まで、ご家族と一緒に考えます。
- 犬
- 猫
- 緩和ケア
- 往診
この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。
OUR STANCE
当院の考え方
緩和ケアは「あきらめること」ではありません。病気を治すための治療と、つらさを和らげるケアは、 どちらか一方を選ぶものではなく、同時に行うことができます。 目標は、その子とご家族が、できるだけ穏やかに幸せに過ごせることです。
どこまで治療を続けるか、どこで最期を迎えるか。正解はひとつではありません。 当院の役割は、その子の状態を正直にお伝えし、考えられる選択肢をできるだけ多く並べること。 そして、ご家族が決めたことを最後まで支えることです。
WHAT IS PALLIATIVE CARE
緩和ケアとは
緩和ケアは、痛みや苦しさを和らげ、その子と、介護するご家族の生活の質(QOL)を支えるケアです。 治療中の病気にも、終末期にも行われます。そのうち、残された時間が限られていると判断された時期から 最期までのケアを、ホスピスケア(終末期ケア)と呼びます。
米国動物病院協会(AAHA)と国際動物ホスピス・緩和ケア協会(IAAHPC)の指針でも、 病気を治すための積極的な治療と緩和ケアは両立しうるものとされています。
WHEN TO CONSULT
こんなときにご相談ください
治りにくい病気と診断された
治療の負担が大きくなってきた
食べない・痛がる・眠れない
最期の迎え方を考えておきたい
SIGNS
痛み・つらさのサイン
犬や猫は、痛みを言葉で伝えられません。とくに少しずつ進む慢性の痛みは、 毎日一緒にいるご家族だからこそ気づける変化として現れます。次のような様子はありませんか。
- 動きたがらない、段差や散歩を嫌がる
- 触ると嫌がる、怒る、特定の場所をなめ続ける
- 落ち着きなく姿勢を変える、横になれない
- 呼吸が速い、浅い(猫が口を開けて呼吸するのは要注意)
- 隠れる、家族のそばに来なくなる
- 毛づくろいをしなくなる(とくに猫)
- 食欲が落ちる、好きなものしか食べない
- トイレの失敗が増える
猫は不調を隠すのが得意な動物です。「なんとなく元気がない」「いつもの場所にいない」といった 小さな変化も、遠慮なくお伝えください。
QUALITY OF LIFE
生活の質(QOL)を一緒に見ていく
「今のこの子は、つらくないだろうか」。その問いに向き合う手がかりとして、 獣医腫瘍医の Villalobos が考案した生活の質のスケールがあります。7つの項目を、 それぞれ0(とても悪い)〜10(とても良い)で見ていきます。
- 痛み(Hurt)
- 痛みは管理できているか。呼吸は苦しそうでないか
- 食欲(Hunger)
- 自分で十分に食べられているか。補助が必要か
- 水分(Hydration)
- 水を十分に飲めているか。脱水していないか
- 清潔(Hygiene)
- 体や寝床を清潔に保てているか。床ずれはないか
- 喜び(Happiness)
- 家族や周りに関心を示し、楽しそうな時間があるか
- 動ける力(Mobility)
- 自分で立ち上がる・移動することができるか(介助があればできるか)
- 良い日の多さ(More good days)
- つらい日より、穏やかに過ごせる日のほうが多いか
考案者は、合計が35点を超えていれば、緩和ケアを続けていける生活の質が保たれている目安としています。
WHAT WE DO
当院でできること
痛みの管理
食欲と栄養の支え
水分と呼吸のケア
往診(当院にかかっている子)
日々の投薬・皮下点滴のサポートや体位変換の介助など、介護のお手伝いを訪問で受けたい場合は、 当院獣医師が営む別事業者の訪問ケアもご紹介しています。
HOME CARE
ご自宅でのケアのヒント
寝床
柔らかく、体重が一点にかからない寝床を用意します。自分で寝返りが打てない子は、ときどき向きを変えてあげると床ずれの予防になります。
排泄
ペットシーツを敷き、汚れたらやさしく拭いて皮膚を清潔に保ちます。尿や便で皮膚がただれやすくなるため、早めに気づいてあげることが大切です。
食事と水
少量ずつ回数を分ける、人肌程度に温めて香りを立たせるなど、食べやすい工夫をします。水は寝たままでも届く場所に置きます。
環境
床には滑り止めを敷き、段差をなくします。家族の気配が感じられる、静かで落ち着ける場所が安心につながります。
介護はご家族の心と体にも負担がかかります。無理を感じたら、それ自体を相談してください。 ご家族が倒れてしまわないことも、その子のためのケアの一部です。
PREPARING
最期の迎え方を考えておく
容体が急に変わったとき、慌てずに済むように。落ち着いているうちに、ご家族で話しておくと安心なことがあります。
- ・どこで見送りたいか(ご自宅か、病院か)
- ・急変したとき、蘇生などの処置を望むかどうか
- ・誰が立ち会いたいか、連絡を取り合う方法
- ・診療時間外に急変したときの連絡先
当院の診療時間終了後(夜間)に急変した場合は、下記の提携夜間救急病院へ直接ご連絡ください。 昼の休診時間や休診日の日中は、当院で対応できる場合がございますので、まずは当院まで一度ご連絡ください。
当院提携の夜間救急病院
TRVA 夜間救急動物医療センター
世田谷区深沢/20:00〜翌朝6:00
東京都世田谷区深沢8-19-12
夜間救急動物病院 目黒
目黒区碑文谷/20:00〜翌朝8:00
東京都目黒区碑文谷4-15-15 フジビル
※ 記載の対応時間・連絡先は変更される場合があります。受診前に各院の公式サイトで最新情報をご確認ください。
EUTHANASIA
安楽死についての当院の考え方
当院は、安楽死をご家族にお勧めすることも、選んだご家族を否定することもしません。 痛みや苦しみを和らげる手立てを尽くしても、その子の生活の質が保てなくなったとき、苦しみを終わらせるための選択肢のひとつとして、ご家族と一緒に考えます。 世界小動物獣医師会(WSAVA)の疼痛ガイドラインも、同じ考え方を示しています。
決めるのはご家族です。迷うこと、決めたあとに揺れることも自然なことです。 時間をかけてご相談いただけます。ご自宅で、という希望にも往診で対応しています (当院にかかっている子。日時によって対応できない場合があります)。
当日の流れ
ステップ1:お別れの時間
ご家族でゆっくりお過ごしください。立ち会うかどうかは、ご家族が自由に決めていただけます。ステップ2:鎮静
まず鎮静剤で深く眠った状態にします。不安や痛みを感じないようにするためです。ステップ3:麻酔薬の投与
静脈から麻酔薬を投与し、眠ったまま心臓が止まります。獣医師が心臓の停止を確認します。
AFTER
お別れのあと
火葬について
ご希望の方には、当院から火葬業者をご紹介しています。お気軽にお尋ねください。
必要な手続き
- ・犬:お住まいの区市町村へ死亡届を出します(狂犬病予防法で、死亡から30日以内と定められています)。
- ・マイクロチップを登録している犬・猫:環境省の登録制度に死亡の届出をします(オンライン・郵送・手数料無料)。 品川区では、犬はこの届出をすれば区への死亡届は不要です。
手続きの方法は自治体によって異なります。お住まいの区市町村の案内をご確認ください。
悲しみについて
大切な家族を見送ったあとの深い悲しみは、自然なことです。 「もっとできたことがあったのでは」と思う方も少なくありません。 その子のことを話しにいらしていただくだけでも構いません。
Q&A
よくあるご質問
- 緩和ケアを始めたら、治療はやめることになりますか。
- いいえ。緩和ケアは、病気そのものへの治療と同時に行うことができます。治療を続けながら痛みや食欲の低下を和らげることも、治療の負担が大きくなってきた段階で、つらさを減らすことを中心にしていくこともできます。どこに重きを置くかは、その子の状態とご家族のお考えに合わせて、一緒に決めていきます。
- 安楽死を考えるタイミングが分かりません。
- 「この時が正解」という線はありません。生活の質(QOL)の見かたや、良い日・つらい日の記録が判断の手がかりになります。迷うのは自然なことです。ご家族だけで抱え込まず、その子の状態を一緒に確かめながら考えましょう。
- 自宅で看取りたいのですが、往診してもらえますか。
- 当院にかかっている子であれば、往診での緩和ケアや、ご自宅での安楽死にも対応しています。ただし、往診ができるかどうかは日時や診療の状況によって変わります。早めにご相談いただければ、事前に段取りを決めておくことができます。
- ほかの病院にかかっていますが、相談できますか。
- はい、ご来院いただいてのご相談はお受けしています。往診は当院にかかっている子に限らせていただいています。かかりつけの先生との関係を大切にしたうえでのご相談については、セカンドオピニオンのページもご覧ください。
- 費用はどのくらいかかりますか。
- 緩和ケアのご相談は通常の診察料で承ります。お薬や処置、往診にかかる費用は、内容が決まった段階で事前にご説明します。
LEARN MORE
さらに詳しく知りたい方へ
- 東京都保健医療局「ペットと暮らす シニア世代の方へ」 ↗終末期の医療、看取り、ペットロスについての都の案内(PDF)
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A」 ↗死亡したときの届出の方法
- 品川区「犬の登録・狂犬病予防注射」 ↗犬の死亡届(電子申請)
- 世界小動物獣医師会(WSAVA)疼痛ガイドライン 日本語版 ↗獣医療者向け。痛みの見つけ方・評価・治療(PDF)
- AAHA/IAAHPC End-of-Life Care Guidelines(2016・英語) ↗獣医療者向け。緩和ケア・ホスピスケアの国際的な指針
当院の関連ページ
このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。
INFORMATION
受診のご案内
〒142-0064 東京都品川区旗の台4-4-19
- 東急大井町線・池上線「旗の台駅」より徒歩5分
- 東急大井町線「荏原町駅」より徒歩3分
病院前に1台分駐車できます。使用中の場合は近隣の提携パーキングをご利用ください(1時間分のサービス券をお渡ししています)。
ご予約優先制です。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜11:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | − |
| 16:00〜18:30 | ● | ● | ● | ● | ● | 16:00〜18:00 | − |
休診日:日曜日・祝日
- 土曜日の午後は18:00までとなります。
- 初診は随時受け付けております。
- 往診・トリミング・麻酔処置は事前のご予約が必要です。
