本文へスキップ
古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

PAPILLON

パピヨンの特徴とかかりやすい病気

蝶のような耳が愛らしい犬種。膝蓋骨脱臼と、この犬種特有の進行性網膜萎縮に留意します。

パピヨンは蝶のような飾り毛の耳が愛らしい、賢く運動能力の高い小型犬です。健康面では、小型犬に共通する膝蓋骨脱臼に加え、この犬種特有の遺伝子変異による進行性網膜萎縮(PRA)が知られています。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、早めに知って備えることで、その子らしい毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 上位

蝶のような飾り毛の耳が愛らしく、賢く運動能力の高いパピヨン。活発で長く元気に暮らす犬種ですが、健康面では「細い骨格」と「この犬種特有の遺伝的背景」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、パピヨンで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

パピヨンってどんな犬?

蝶(フランス語でパピヨン)のように広がる立ち耳の飾り毛が、犬種名の由来です。ルネサンス期の欧州の宮廷で愛された大陸系トイスパニエルの流れをくみます。耳が垂れたタイプは「ファーレン(蛾)」と呼ばれます。体重は2〜4kg台、骨格は細身です。

性格の傾向

小型犬のなかでもとりわけ賢く、訓練競技で活躍する犬種です。活発で運動能力が高く、覚えることと遊ぶことが大好き。感受性が強いぶん、大きな音や急な環境の変化には繊細に反応することがあります。

暮らし方・お手入れ

被毛の手入れは比較的簡単で、耳・胸・尾の飾り毛をブラッシングすれば整います。体を動かすだけでなく、頭を使うトレーニングや知育トイを日課にすると心が満たされます。運動神経がよく、高い所へも軽々と跳び乗ります。

ここがたまらない

走るたびにふわりと揺れる耳の飾り毛。教えたことを「見て見て」と披露しにくる得意げな顔。軽やかに飛び回る身のこなし。賢さがそのまま愛嬌になっている犬種です。

02

とくに知っておきたい好発疾患

膝蓋骨脱臼(パテラ・内方脱臼)

Medial Patellar Luxation

膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれる、小型犬でもっとも身近な整形疾患です。パピヨンを含むトイ種では、内側にずれる内方脱臼が多くみられます。「後ろ足を一瞬あげてケンケンする」「スキップのような歩き方」はサインの一つ。早期に気づけば、滑りにくい床環境や体重管理で将来の関節炎リスクを下げられます。

この疾患を詳しく見る →

進行性網膜萎縮(PRA)

Progressive Retinal Atrophy

網膜が少しずつ働きを失い、視力が徐々に低下していく遺伝性の病気です。パピヨンにはこの犬種特有の遺伝子変異(CNGB1)が知られ、保因の有無は遺伝子検査で調べられます。まず暗い場所で見えにくくなり(夜盲)、進行すると明るい場所でも見えにくくなります。進行性ですが、環境を整えることで生活の質を保てます。

この疾患を詳しく見る →

歯周病

Periodontal Disease

小さな口に歯が密集するため歯垢が停滞しやすく、小型犬は歯周病のリスクが高いことが知られています。口臭・歯石・歯ぐきの赤みは受診のサイン。子犬のうちからの歯みがき習慣が最大の予防です。歯の健康は全身の健康にもつながります。

この疾患を詳しく見る →

03

見逃したくない初期サイン

暗所で不安がる・物にぶつかる・夜に見えにくい

ケンケン歩き・スキップのような歩き方

口臭・歯石・歯ぐきの赤み・出血

これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1目の変化を日ごろから見守る

    暗い場所での動きや物へのぶつかり方を観察します。進行性網膜萎縮(PRA)が心配なときは遺伝子検査も選択肢です。見えにくくなっても、家具の配置を変えないなどの工夫で安心して暮らせます。

  2. ステップ2滑りにくい床環境と飛び降り対策

    フローリングにマットやカーペットを敷き、ソファやベッドにはステップやスロープを。細い骨と膝への負担を減らし、整形疾患の予防になります。

  3. ステップ3子犬期から歯みがきを習慣に

    毎日の歯みがきが歯周病予防の要です。まずは口元に触れることに慣れさせ、少しずつ進めます。

  4. ステップ4適正体重を保つ

    体重管理は膝・関節・全身の健康の土台です。運動好きな犬種なので、適度な運動と食事管理を組み合わせましょう。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    目・膝・歯を定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。気になることがあれば健診の機会にご相談ください。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。パピヨンのように賢く活発で長く暮らす犬種だからこそ、膝・目・歯を若いうちから一緒に見守り、選択肢を広げていきます。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

パピヨンで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

はじめてご来院される方へ

ご予約から診察・治療方針のご提案までの流れを、わかりやすくまとめています。

はじめての方はこちら

Q&A

よくあるご質問

パピヨンを迎えました。まず何に気をつければいいですか?
パピヨンは「膝(膝蓋骨脱臼)」「目(遺伝性の網膜の病気)」「歯」がポイントです。フローリングにマットを敷き、飛び降りを減らして膝を守りましょう。目については、暗い場所での動きや物へのぶつかり方を日ごろから観察してください。歯石や口臭も早めのサインになります。気になる歩き方や目の様子があれば、動画を撮っていただくと診察がスムーズです。
進行性網膜萎縮(PRA)とは、どんな病気ですか?
網膜が少しずつ働きを失い、視力が徐々に低下していく遺伝性の病気です。パピヨンにはこの犬種特有の遺伝子変異が知られており、遺伝子検査で保因の有無を調べられます。まず暗い場所で見えにくくなり(夜盲)、進行すると明るい場所でも見えにくくなります。進行性の病気ですが、家具の配置を変えないなど環境を整えることで、生活の質を保てます。気づいたら早めにご相談ください。
目が見えにくそうです。加齢のせいでしょうか?
加齢による変化のこともありますが、パピヨンでは遺伝性の進行性網膜萎縮(PRA)も知られています。暗い場所で動きが慎重になる、物にぶつかる、目を光に近づける——こうしたサインがあれば眼科的な検査をおすすめします。進行を止める治療は限られますが、早く知ることで環境を整え、その子が安心して暮らせる工夫ができます。気づいたら早めにご相談ください。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。