蝶のような飾り毛の耳が愛らしく、賢く運動能力の高いパピヨン。活発で長く元気に暮らす犬種ですが、健康面では「細い骨格」と「この犬種特有の遺伝的背景」に由来する注意点があります。ここでは、来院前の予習として、パピヨンで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。
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パピヨンってどんな犬?
蝶(フランス語でパピヨン)のように広がる立ち耳の飾り毛が、犬種名の由来です。ルネサンス期の欧州の宮廷で愛された大陸系トイスパニエルの流れをくみます。耳が垂れたタイプは「ファーレン(蛾)」と呼ばれます。体重は2〜4kg台、骨格は細身です。
性格の傾向
小型犬のなかでもとりわけ賢く、訓練競技で活躍する犬種です。活発で運動能力が高く、覚えることと遊ぶことが大好き。感受性が強いぶん、大きな音や急な環境の変化には繊細に反応することがあります。
暮らし方・お手入れ
被毛の手入れは比較的簡単で、耳・胸・尾の飾り毛をブラッシングすれば整います。体を動かすだけでなく、頭を使うトレーニングや知育トイを日課にすると心が満たされます。運動神経がよく、高い所へも軽々と跳び乗ります。
ここがたまらない
走るたびにふわりと揺れる耳の飾り毛。教えたことを「見て見て」と披露しにくる得意げな顔。軽やかに飛び回る身のこなし。賢さがそのまま愛嬌になっている犬種です。
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とくに知っておきたい好発疾患
Medial Patellar Luxation
膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれる、小型犬でもっとも身近な整形疾患です。パピヨンを含むトイ種では、内側にずれる内方脱臼が多くみられます。「後ろ足を一瞬あげてケンケンする」「スキップのような歩き方」はサインの一つ。早期に気づけば、滑りにくい床環境や体重管理で将来の関節炎リスクを下げられます。
Progressive Retinal Atrophy
網膜が少しずつ働きを失い、視力が徐々に低下していく遺伝性の病気です。パピヨンにはこの犬種特有の遺伝子変異(CNGB1)が知られ、保因の有無は遺伝子検査で調べられます。まず暗い場所で見えにくくなり(夜盲)、進行すると明るい場所でも見えにくくなります。進行性ですが、環境を整えることで生活の質を保てます。
Periodontal Disease
小さな口に歯が密集するため歯垢が停滞しやすく、小型犬は歯周病のリスクが高いことが知られています。口臭・歯石・歯ぐきの赤みは受診のサイン。子犬のうちからの歯みがき習慣が最大の予防です。歯の健康は全身の健康にもつながります。
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見逃したくない初期サイン
目
暗所で不安がる・物にぶつかる・夜に見えにくい
膝
ケンケン歩き・スキップのような歩き方
口
口臭・歯石・歯ぐきの赤み・出血
これらは代表的な好発疾患の初期に出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。
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ご家庭でできる予防・健康管理
ステップ1:目の変化を日ごろから見守る
暗い場所での動きや物へのぶつかり方を観察します。進行性網膜萎縮(PRA)が心配なときは遺伝子検査も選択肢です。見えにくくなっても、家具の配置を変えないなどの工夫で安心して暮らせます。
ステップ2:滑りにくい床環境と飛び降り対策
フローリングにマットやカーペットを敷き、ソファやベッドにはステップやスロープを。細い骨と膝への負担を減らし、整形疾患の予防になります。
ステップ3:子犬期から歯みがきを習慣に
毎日の歯みがきが歯周病予防の要です。まずは口元に触れることに慣れさせ、少しずつ進めます。
ステップ4:適正体重を保つ
体重管理は膝・関節・全身の健康の土台です。運動好きな犬種なので、適度な運動と食事管理を組み合わせましょう。
ステップ5:年1回以上の健康診断を受ける
目・膝・歯を定期的にチェックすることで、無症状のうちに変化を捉えられます。気になることがあれば健診の機会にご相談ください。
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当院の考え方
古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。パピヨンのように賢く活発で長く暮らす犬種だからこそ、膝・目・歯を若いうちから一緒に見守り、選択肢を広げていきます。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。
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かかりやすい病気(当院の解説ページ)
パピヨンで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

