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BORDER COLLIE

ボーダー・コリーの特徴とかかりやすい病気

きわめて賢く運動能力の高い犬種。遺伝性の眼疾患(コリー眼異常)やてんかんに留意します。

ボーダー・コリーは犬のなかでもとりわけ賢く、運動能力にすぐれた牧羊犬です。心身ともにタフな犬種ですが、遺伝性の目の病気やてんかん、そして一部の薬剤に対する感受性(MDR1)が知られています。好発はあくまで「かかりやすい傾向」であり、若いうちから知って備えることで、その子の活動的な毎日を長く支えられます。

  • 好発疾患
  • JKC登録頭数 上位

驚くほど賢く、まるで考えて動くように働くボーダー・コリー。運動能力・作業能力にすぐれ、丈夫な犬種ですが、健康面では「遺伝性の目・神経の病気」と「薬剤への感受性」に注意点があります。ここでは、来院前の予習として、ボーダー・コリーで比較的みられる病気と、ご家庭でできるケアをまとめました。

01

ボーダー・コリーってどんな犬?

イングランドとスコットランドの境界(ボーダー)地方で発達した牧羊犬です。強い視線で羊を動かす「アイ」と呼ばれる働き方をします。体重は14〜20kg前後で、被毛はラフ(長め)とスムース(短め)があります。

性格の傾向

犬種のなかでもとりわけ賢く、作業意欲がきわめて高い犬種です。覚えるのが早く、教えたことをどんどん吸収します。その反面、体と頭を使う機会が足りないとストレスが溜まり、吠えや追いかけといった行動につながることがあります。音や動きに敏感な繊細さも持ち合わせています。

暮らし方・お手入れ

毎日の十分な運動に加えて、ノーズワークやトレーニングなど「考える課題」を用意してあげると心が安定します。ダブルコートなので換毛期はブラッシングを念入りに。都市部の室内暮らしでは、発散の工夫が暮らしやすさを大きく左右します。

ここがたまらない

こちらの意図を読み取ろうとする、あの真剣なまなざし。ボールやフリスビーを追うときの躍動感。家族がばらばらに歩くと、まとめようとそわそわするところ。賢さがそのまま人柄(犬柄)になっている犬種です。

02

とくに知っておきたい好発疾患

まず押さえておきたいのは、ボーダー・コリーを象徴する遺伝性の目・神経の病気と、薬剤感受性(MDR1)です。これらは下の「注意したい病気」で詳しくご説明します。あわせて、以下の病気にも留意します。

進行性網膜萎縮(PRA)

Progressive Retinal Atrophy

網膜がゆっくりと変性し、少しずつ視力を失っていく遺伝性の目の病気です。多くはまず暗い場所での見えにくさ(夜盲)から始まり、「暗くなると動きが慎重になる」「物にぶつかる」といったサインが出ます。進行性ですが、家具の配置を変えないなど環境を整えることで生活の質を保てます。遺伝子検査や眼科的な検査で、早期に把握できます。

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股関節形成不全

Hip Dysplasia

成長期に股関節がゆるく形成され、痛みや歩様異常、将来の関節炎につながる発育性の整形疾患です。ボーダー・コリーでも留意したい病気で、発生の程度には個体差があります。「腰を振るように歩く」「立ち上がりや運動を嫌がる」はサインの一つ。よく動く犬種だからこそ、体重管理と適切な運動量で関節への負担を抑えることが大切です。

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03

見逃したくない初期サイン

暗所で動きが慎重・物にぶつかる

発作

けいれん・意識の途切れ・急な脱力

投薬

薬のあとにふらつき・元気消失(MDR1のサイン)

これらは代表的な好発疾患や体質に関連して出やすいサインです。1つでも当てはまる、あるいは「なんとなくいつもと違う」と感じたら、それが早期発見のきっかけになります。とくに長く続く発作や、投薬後の急な神経症状は緊急性が高いため、迷わずご連絡ください。

04

ご家庭でできる予防・健康管理

  1. ステップ1投薬前に「犬種と体質」を必ず伝える

    ボーダー・コリーであること、MDR1(ABCB1)検査の有無・結果を、初診や他院受診の際も含めて必ず伝えましょう。事前の情報共有が、薬剤による神経症状の予防につながります。

  2. ステップ2目と神経の変化を早めにキャッチする

    暗所での見えにくさ、物へのぶつかり、けいれん発作の有無を日頃から観察します。発作は様子と長さを動画に記録しておくと、診断の大きな助けになります。

  3. ステップ3十分な運動と頭を使う遊びを

    運動能力・知能が高い犬種です。散歩だけでなく、ノーズワークや知育トイなど頭を使う遊びを取り入れると、心身の健康と問題行動の予防に役立ちます。

  4. ステップ4適正体重と関節ケア

    体重管理と滑りにくい床環境で、股関節・関節への負担を抑えます。よく動く犬種だからこそ、土台となる体づくりを大切にしましょう。

  5. ステップ5年1回以上の健康診断を受ける

    目・神経・関節のチェックに加え、中高齢では血液検査で全身状態を確認します。無症状のうちに変化を捉えることが、選択肢を広げます。

05

当院の考え方

古谷動物病院は「診察室の延長としてのウェブサイト」を大切にしています。犬種ごとの傾向を知ることは、不安をあおるためではなく、その子に合った予防とタイミングのよい受診につなげるためのものです。ボーダー・コリーのように賢く運動能力の高い犬種だからこそ、目・神経・関節を若いうちから一緒に見守り、体質(MDR1)を踏まえた安全な医療を心がけます。投薬前の情報共有は、その子を守る大切な一歩です。気になることは、どんな小さなことでもご相談ください。

07

かかりやすい病気(当院の解説ページ)

ボーダー・コリーで比較的みられる病気のうち、当院に解説ページがあるものです。 好発は「かかりやすい傾向」であって、必ずかかるわけではありません。 気になるサインがあれば、来院前の予習にお使いください。

ほかの探し方

ほかの犬種・猫種から探す、気になる様子から引ける症状から探す、診断名で引ける病気の一覧もご利用ください。

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Q&A

よくあるご質問

子犬のうちに受けておくとよい検査はありますか?
ボーダー・コリーには遺伝性の目の病気(コリー眼異常など)が知られており、子犬期の眼底検査や遺伝子検査で保因・発症リスクを調べられます。また、この犬種は一部の薬剤に敏感な体質(MDR1)をもつことがあるため、MDR1(ABCB1)の遺伝子検査も選択肢です。どの検査が必要かは、迎えた子の血統や状況によって異なります。まずはお気軽にご相談ください。
けいれん発作を起こしました。どうすればよいですか?
ボーダー・コリーでは、若〜中年期(おおむね1〜5歳)に始まる特発性てんかんが知られています。発作中は無理に押さえず、周囲の危険物を遠ざけ、可能なら発作の様子と長さを動画で記録してください。長く続く発作や短時間に繰り返す発作は緊急性が高いため、すぐに受診を。発作の頻度や様子の記録は、診断と今後の対応を考えるうえで大きな助けになります。
ボーダー・コリーは薬に敏感だと聞きました。本当ですか?
一部のボーダー・コリーは、MDR1(ABCB1)という遺伝子の変異により、特定の薬剤(一部の駆虫薬や下痢止め、麻酔薬、抗がん剤など)で神経症状が出やすいことが知られています。遺伝子検査で体質を事前に把握できます。他院や初診の際も含め、投薬前には「ボーダー・コリーであること」「MDR1検査の有無・結果」を必ずお伝えください。具体的な薬剤選択・用量は担当獣医師が判断します。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。