本文へスキップ
古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

TIMING GUIDE

手術の時期を考える

犬種・体格別ガイド

避妊・去勢手術は「いつ受けても同じ」ではありません。近年の大規模な獣医学研究により、手術を受ける時期が犬の長期的な健康に影響することがわかってきました。当院では、犬種や体格に応じた適切な時期を、飼い主さまと一緒に考えます。

  • 犬種別ガイド

PAGE GUIDE

このテーマは4ページでご案内しています

犬の避妊・去勢について、知りたいことにすぐたどり着けるよう、内容を4つのページに分けています。どのページに何が書いてあるかは、下のご案内からお選びください。

WHY TIMING MATTERS

なぜ手術の「時期」が大切なのか

犬の体は、性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)の働きによって骨や関節の成長が調節されています。手術で性ホルモンが失われると、骨の成長板が閉じるタイミングが変わり、体のバランスに影響が出ることがあります。

特に大型犬や超大型犬は成長期間が長いため、体が十分に発達する前に手術を行うと、関節疾患(股関節形成不全、前十字靭帯断裂など)のリスクが高まることが報告されています。一方、小型犬ではこうしたリスクはほとんど確認されておらず、比較的早い時期の手術でも問題になりにくいとされています。

  • 手術の適切な時期は「犬種」と「体格」によって異なる
  • 大型犬ほど、成長完了を待つことのメリットが大きい
  • 小型犬は比較的柔軟に時期を選べる

GUIDE BY SIZE

体格別の推奨時期ガイド

以下は、現在の獣医学的エビデンスに基づく一般的な目安です。個体差がありますので、最終的な判断は診察でご相談ください。

小型犬成犬体重 10kg 未満

性別推奨時期の目安備考
生後6ヶ月齢〜関節疾患リスクの増加は報告されていない
生後6ヶ月齢〜関節疾患リスクの増加は報告されていない

該当犬種の例:トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアン、シーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリア など

中型犬成犬体重 10〜25kg

性別推奨時期の目安備考
生後6〜12ヶ月齢犬種によって差がある。乳腺腫瘍予防を考慮
生後6〜12ヶ月齢一部の犬種では12ヶ月齢以降が望ましい場合あり

該当犬種の例:柴犬、コーギー、ビーグル、フレンチブルドッグ、コッカースパニエル、ボーダーコリー など

大型犬成犬体重 25〜40kg

性別推奨時期の目安備考
生後12ヶ月齢以降成長板の閉鎖を待つことで関節疾患リスクを低減
生後12〜18ヶ月齢以降関節疾患のデータが特に多い体格帯

該当犬種の例:ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、スタンダードプードル、ドーベルマン など

超大型犬成犬体重 40kg 超

性別推奨時期の目安備考
生後18〜24ヶ月齢以降成長完了まで2年近くかかる犬種が多い
生後18〜24ヶ月齢以降成長期間と関節疾患リスクの両面を考慮

該当犬種の例:バーニーズマウンテンドッグ、グレートデーン、セントバーナード、ニューファンドランド、マスティフ など

小型犬は大型犬に比べて研究データが限られています。現時点では早期手術によるリスク増加のエビデンスは乏しいですが、当院では個体の発育状況を確認した上で時期をご提案しています。

BREED GUIDE

犬種別クイックガイド

犬種特記事項
トイプードル6ヶ月齢〜6ヶ月齢〜関節・がんリスク増加の報告なし
チワワ6ヶ月齢〜6ヶ月齢〜関節・がんリスク増加の報告なし
ミニチュアダックスフンド6ヶ月齢〜6ヶ月齢〜椎間板疾患は手術時期と無関係
柴犬6〜12ヶ月齢6〜12ヶ月齢個体差あり。発育状態を確認して判断
フレンチブルドッグ6〜12ヶ月齢6〜12ヶ月齢関節疾患の増加報告なし
コーギー6〜12ヶ月齢12ヶ月齢以降雄では関節疾患の報告あり
ビーグル6〜12ヶ月齢6ヶ月齢〜がん・関節ともに大きなリスク増加なし
ボーダーコリー6〜12ヶ月齢6〜12ヶ月齢個体の活動量も考慮
ゴールデンレトリバー12ヶ月齢以降12ヶ月齢以降早期手術で関節疾患・一部のがんリスク増加
ラブラドールレトリバー12ヶ月齢以降12ヶ月齢以降早期手術で関節疾患リスク増加
ジャーマンシェパード12ヶ月齢以降12〜18ヶ月齢以降早期手術で関節疾患リスクが顕著に増加
スタンダードプードル12ヶ月齢以降12ヶ月齢以降大型犬カテゴリとして成長完了を考慮
バーニーズマウンテンドッグ18ヶ月齢以降18ヶ月齢以降超大型犬。がんの好発犬種のため慎重に判断
グレートデーン18〜24ヶ月齢以降18〜24ヶ月齢以降成長完了に時間がかかる

BALANCING RISKS

雌犬の場合 ― 乳腺腫瘍予防との兼ね合い

避妊手術が早いほど乳腺腫瘍の予防効果が高い、という考え方は広く知られています。初回発情前の手術で乳腺腫瘍のリスクが大きく下がるとされてきました。一方で、大型犬では早期手術による関節疾患リスクの増加も報告されています。

この2つのバランスをどう取るかは、犬種・体格・家族歴・生活環境によって変わります。当院では、乳腺腫瘍のリスクと関節疾患のリスクの両方を考慮し、その子にとっての最適なタイミングをご提案します。

CHOOSING NOT TO OPERATE

手術をしないという選択肢

避妊・去勢手術を行わない、という判断も選択肢のひとつです。2024年に世界小動物獣医師会(WSAVA)が発表したガイドラインでは、飼い主が適切に管理できる環境であれば、手術を行わないことも推奨される選択肢に含まれています。手術をしない場合は、以下の定期的な健康管理が重要です。

雌犬の場合

  • 年1〜2回の乳腺チェック(視診・触診)
  • 発情期の行動管理と衛生管理
  • 中高齢期の子宮蓄膿症への注意(元気・食欲の低下、多飲多尿、陰部からの分泌物)

雄犬の場合

  • 停留精巣がないかの確認(ある場合は手術を推奨)
  • 前立腺の定期チェック(中高齢期以降)
  • 発情期の雌犬との接触管理

手術をするかしないかも含めて、当院で一緒に考えることができます。

Q&A

よくあるご質問

ミックス犬の場合はどう判断しますか?
予想される成犬体重をもとに、体格カテゴリ(小型・中型・大型)の推奨時期を参考にします。親犬の犬種がわかる場合は、その情報も考慮します。
推奨時期を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
手術に「遅すぎる」ということは基本的にありません。中高齢の犬でも手術は可能です。ただし、年齢が上がると麻酔のリスク評価がより重要になります。術前検査で全身状態を確認した上で判断します。
研究データはどの程度信頼できますか?
当院が参考にしている主な研究は、カリフォルニア大学デイビス校の大規模疫学調査(約40犬種・数万頭規模)です。大型犬での傾向は比較的明確ですが、小型犬や一部の犬種ではデータが限られています。当院では、データがある部分は科学的根拠に基づいて、データが不足する部分は臨床経験と個体の状態を踏まえて判断しています。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。

INFORMATION

受診のご案内

〒142-0064 東京都品川区旗の台4-4-19

TEL 03-3788-4688

  • 東急大井町線・池上線旗の台駅」より徒歩5
  • 東急大井町線荏原町駅」より徒歩3

病院前に1台分駐車できます。使用中の場合は近隣の提携パーキングをご利用ください(1時間分のサービス券をお渡ししています)。

ご予約優先制です。

古谷動物病院の診療時間。休診日は日曜日・祝日
診療時間
9:00〜11:30
16:00〜18:3016:00〜18:00

休診日日曜日・祝日

  • 土曜日の午後は18:00までとなります。
  • 初診は随時受け付けております。
  • 往診・トリミング・麻酔処置は事前のご予約が必要です。