
SURGICAL METHODS
手術の方法を知る
従来法とホルモン温存手術
避妊・去勢手術には、従来から行われている方法に加えて、性ホルモンを作る機能を残す「ホルモン温存手術」という選択肢があります。当院では複数の術式に対応しており、飼い主さまと相談しながら、その子に最適な方法をお選びいただけます。
- 犬
- ホルモン温存手術対応
PAGE GUIDE
このテーマは4ページでご案内しています
犬の避妊・去勢について、知りたいことにすぐたどり着けるよう、内容を4つのページに分けています。どのページに何が書いてあるかは、下のご案内からお選びください。
避妊・去勢手術とは
手術の基礎知識、なぜ検討するのか、手術の流れ、費用の目安、よくあるご質問。まずはこのページから。
→ このページを読む手術の時期を考える
犬種・体格別の推奨時期ガイド。診察室で獣医師と一緒にご覧いただける実用的な資料です。
→ このページを読む手術の方法を知る
従来法とホルモン温存手術(卵巣温存子宮摘出術・精管結紮術)の比較。メリット・デメリットを解説します。
避妊・去勢の最新知見
近年の研究で明らかになったこと。すでに手術を済ませた飼い主さまへの情報も掲載しています。
→ このページを読むOVERVIEW
選べる手術方法
避妊・去勢手術の方法は、大きく分けて以下の2つのカテゴリがあります。
① 従来法(スタンダード)
卵巣や精巣を摘出し、性ホルモンの分泌をなくす方法です。世界中で最も広く行われている標準的な術式です。
② ホルモン温存手術
卵巣や精巣は残したまま、生殖管(子宮や精管)を処理して妊娠だけを防ぐ方法です。性ホルモンの分泌は手術前と同じように維持されます。
FOR FEMALE DOGS
雌犬の手術方法
従来法:卵巣子宮摘出術(OHE)
最も広く行われている避妊手術です。卵巣と子宮の両方を摘出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術内容 | 卵巣と子宮を摘出 |
| ホルモン | 分泌されなくなる |
| 妊娠防止 | 確実 |
| 発情 | なくなる |
メリット
子宮蓄膿症のリスクを完全に排除。乳腺腫瘍のリスクを低減(時期による)。発情に伴う出血や行動変化がなくなる。
デメリット
性ホルモンが失われるため、関節疾患や一部のがん、尿失禁のリスクが増加する可能性(犬種・時期による)。
ホルモン温存:卵巣温存子宮摘出術(OSS)
卵巣を残し、子宮だけを摘出する方法です。ホルモンは引き続き分泌されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術内容 | 子宮を摘出し、卵巣は温存 |
| ホルモン | 正常に分泌される |
| 妊娠防止 | 確実(子宮がないため妊娠不可) |
| 発情 | 卵巣が残るため発情周期の兆候(行動変化)は続く。ただし子宮がないため出血はない |
メリット
性ホルモンの保護効果を維持。関節疾患や一部のがんリスクの増加を避けられる可能性。
デメリット
卵巣が残るため卵巣腫瘍のリスクは残る(発生頻度は低い)。発情に伴う行動変化(雄犬を引きつけるなど)は続く。乳腺腫瘍のリスク低減効果は限定的。
FOR MALE DOGS
雄犬の手術方法
従来法:精巣摘出術(去勢手術)
精巣を摘出する標準的な去勢手術です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術内容 | 両側の精巣を摘出 |
| ホルモン | 分泌されなくなる |
| 繁殖能力 | 消失 |
メリット
精巣腫瘍のリスクを排除。前立腺肥大の予防。マーキングや放浪行動が減少する可能性。
デメリット
性ホルモンが失われるため、関節疾患や一部のがん、肥満のリスクが増加する可能性(犬種・時期による)。
ホルモン温存:精管結紮術(パイプカット)
精管を切断・結紮し、精子の通り道を遮断する方法です。精巣はそのまま残ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術内容 | 精管を切断・結紮 |
| ホルモン | 正常に分泌される |
| 繁殖能力 | 消失(精子が体外に出ない) |
メリット
性ホルモンの保護効果を維持。手術の侵襲が比較的小さい。関節疾患や一部のがんリスクの増加を避けられる可能性。
デメリット
精巣が残るため精巣腫瘍のリスクは残る。マーキングや発情に伴う行動は維持される。前立腺肥大の予防効果は得られない。
COMPARISON
術式の比較まとめ
雌犬
| 項目 | 卵巣子宮摘出術(従来法) | 卵巣温存子宮摘出術(OSS) |
|---|---|---|
| ホルモン | なくなる | 維持される |
| 発情 | なくなる | 行動変化は継続(出血なし) |
| 子宮蓄膿症 | リスク排除 | リスク排除 |
| 乳腺腫瘍 | リスク低減 | リスク低減効果は限定的 |
| 関節疾患 | リスク増加の可能性あり | リスク増加を回避できる可能性 |
| 手術の普及度 | 非常に広く行われている | 実施可能な病院は限られる |
雄犬
| 項目 | 精巣摘出術(従来法) | 精管結紮術(パイプカット) |
|---|---|---|
| ホルモン | なくなる | 維持される |
| マーキング | 減少することが多い | 維持される |
| 精巣腫瘍 | リスク排除 | リスクは残る |
| 前立腺肥大 | 予防効果あり | 予防効果なし |
| 関節疾患 | リスク増加の可能性あり | リスク増加を回避できる可能性 |
| 手術の普及度 | 非常に広く行われている | 実施可能な病院は限られる |
HORMONE-SPARING SURGERY
ホルモン温存手術をお考えの方へ
ホルモン温存手術は、性ホルモンが体にとって大切な役割を果たしているという考えに基づいた術式です。6,000頭以上の犬を対象にした調査では、性ホルモンへの生涯にわたる暴露が長い犬ほど、がんや関節疾患、問題行動の発生が少ない傾向が報告されています。当院ではOSS(卵巣温存子宮摘出術)と精管結紮術の両方に対応しています。
どちらが「正解」ということではなく、その子と飼い主さまの状況に合った方法を選ぶことが大切です。
Q&A
よくあるご質問
- ホルモン温存手術は技術的に難しいのですか?
- 卵巣温存子宮摘出術(OSS)は、従来の手術と同程度の技術で実施可能です。精管結紮術も比較的シンプルな手術です。当院では、どちらの術式も安全に実施できる体制を整えています。
- 手術の後から方法を変えることはできますか?
- ホルモン温存手術(卵巣や精巣が残っている状態)から従来法への変更は可能です。将来的に卵巣や精巣の摘出が必要になった場合、追加の手術で対応できます。ただし、従来法で卵巣・精巣を摘出した後に、ホルモンを元に戻すことはできません。
- 費用は従来法と違いますか?
- 術式による費用の違いはありません。体重別の費用の目安は「犬の避妊・去勢手術」ページ、または料金案内ページをご覧ください。
- どちらの方法を選ぶ飼い主さんが多いですか?
- 現状では従来法を選ばれる方が大多数です。ホルモン温存手術はまだ知名度が高くないため、存在を知って初めて検討される方がほとんどです。「知った上で選ぶ」ことが大切だと考えています。
このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。
INFORMATION
受診のご案内
〒142-0064 東京都品川区旗の台4-4-19
- 東急大井町線・池上線「旗の台駅」より徒歩5分
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病院前に1台分駐車できます。使用中の場合は近隣の提携パーキングをご利用ください(1時間分のサービス券をお渡ししています)。
ご予約優先制です。
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休診日:日曜日・祝日
- 土曜日の午後は18:00までとなります。
- 初診は随時受け付けております。
- 往診・トリミング・麻酔処置は事前のご予約が必要です。
