
FLEA & TICK PREVENTION
ノミ・マダニ(外部寄生虫)予防
ノミ・マダニは、かゆみや皮膚炎だけでなく、人にもうつる感染症を運びます。その子とご家族が一年を通じて安心して過ごせるよう、通年での予防をご提案します。
- 犬
- 猫
WHY
なぜ、通年の予防をおすすめするのか
ノミ・マダニは「かゆみ」の問題にとどまりません。皮膚炎やお腹の寄生虫、そして人にもうつる重い感染症まで、その子とご家族の健康に関わります。旗の台・荏原町周辺のような都市部でも、公園や緑道の草むらにマダニは生息し、ノミは室内に持ち込まれます。当院は「診察室の延長」として、来院前にリスクの全体像を知っていただき、生活に合った予防を一緒に選ぶことを大切にしています。
5%
寄生しているノミのうち、ペットの体にいる成虫の割合。残り約95%は卵・幼虫・蛹として室内環境に潜みます
60%↑
猫がSFTSを発症した際の致死率の報告。人にもうつる、命に関わる感染症です
通年
予防をおすすめする期間。冬でも室内やマダニの活動によりリスクは続きます
FLEA
ノミがもたらす害
ノミ(主にネコノミ)は犬にも猫にも寄生します。厄介なのは、目に見える成虫はごく一部で、卵・幼虫・蛹の大半が寝床・カーペット・畳のすき間などの環境中に潜んでいる点です。だからこそ、その子への投薬とあわせて環境全体を意識した継続的な予防が欠かせません。
ノミアレルギー性皮膚炎(FAD)
ノミの唾液に対するアレルギー反応で起こる、犬猫で最も多い皮膚トラブルのひとつです。わずか数匹の寄生でも、腰やしっぽの付け根を中心に強いかゆみ・脱毛・湿疹を引き起こします。「あまり見かけないから大丈夫」とは限りません。
瓜実条虫(サナダムシ)の媒介
ノミの体内で育った瓜実条虫の幼虫は、毛づくろいなどでノミを飲み込むことで犬猫の腸に寄生します。感染したノミを口にすることで、まれにお子さまへ寄生した例も報告されており、ご家族の健康にも関わります。
大量寄生による貧血
ノミは吸血する寄生虫です。子犬・子猫や小柄な子、体力の落ちた高齢の子では、多数の寄生によって貧血に至ることがあります。強いかゆみによる不眠やストレスも、その子の生活の質を下げます。
TICK
マダニが媒介する感染症
マダニは草むらや低木の先端で宿主を待ち、通りがかった動物に咬みつきます。咬着時の痛みがほとんどないため気づきにくく、吸血が進んでから発見されることが多いのが特徴です。吸血による皮膚炎・貧血だけでなく、マダニが運ぶ病原体こそが本当の脅威です。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
マダニが媒介するウイルス感染症で、犬・猫だけでなく人にもうつる人獣共通感染症です。発熱・食欲不振・嘔吐・下痢などを起こし、猫では致死率が60%以上と報告される重篤な病気です。有効なワクチンはなく、マダニに咬まれないことが最大の予防になります。
犬バベシア症
マダニが媒介する原虫(バベシア)が赤血球に寄生し、貧血・発熱・黄疸・元気消失を起こします。フタトゲチマダニなどが媒介し、近年は関東でも報告が増えています。一度感染すると体内から完全に排除することが難しい病気です。
ライム病・日本紅斑熱など
マダニは、細菌によるライム病や、人でも重症化しうる日本紅斑熱などさまざまな病原体を媒介します。マダニ1匹の咬着が、複数の感染症のリスクにつながります。
PREVENTION
予防薬の種類と選び方
現在のノミ・マダニ予防薬は効果が高く、犬用・猫用ともに選択肢が豊富です。当院は「選択肢を最大化する」という考えのもと、その子の体質と暮らし方に合うお薬を一緒に選びます。
おやつのように食べさせるお薬
経口タイプ
イソオキサゾリン系(アフォキソラネル・フルララネルなど)の飲み薬が主流です。おいしく食べられる嗜好性の高い製剤が多く、シャンプーや水浴びの影響を受けないのが利点です。効果の持続は1か月のものから3か月のものまであります。
皮膚が敏感な子や、スポット薬をなめてしまう子にも向いています。
首の後ろにたらす滴下薬
スポットタイプ
背中の皮膚に滴下するタイプです。お薬を口にするのが苦手な子に向いています。ノミ・マダニに加えてフィラリアや消化管内寄生虫までカバーするオールインワン製剤もあり、生活スタイルに合わせて選べます。
滴下後しばらくは、その部位をなめさせない・触らない配慮が必要です。
製品や用量は、体重・年齢・犬か猫か・生活環境・皮膚やお腹の状態によって最適解が変わります。どの薬をどの間隔で使うかは、担当獣医師にご相談ください。市販薬の自己判断での使用は、量の過不足や成分の取り違えにつながるため避けましょう。
FOUND A TICK
マダニを見つけたときの対処
散歩中や体をなでているときに、被毛の中にゴマ粒〜小豆大の黒い「しこり」のようなものを見つけたら、マダニかもしれません。対処を誤ると危険なため、次の点を守ってください。
ステップ1:無理に引き抜かない
指やピンセットで引っ張ると、口器(頭部)が皮膚に残って化膿・炎症の原因になります。また、マダニをつぶすと体液が逆流し、SFTSなどの病原体が体内に入るリスクが高まります。
ステップ2:そのままの状態で動物病院へ
マダニが咬着したまま、できるだけ早くご来院ください。専用の器具で口器を残さず安全に除去し、必要に応じて傷の処置を行います。
ステップ3:除去後も数週間は体調を観察
発熱・元気や食欲の低下・嘔吐・下痢などがみられたら、感染症の可能性を含めて早めにご相談ください。飼い主さまご自身が咬まれた場合も、医療機関を受診してください。
YEAR-ROUND
通年予防をおすすめする理由
かつては「春から秋まで」が予防の目安とされていましたが、状況は変わってきています。当院が一年を通じた予防をおすすめするのは、次のような理由からです。
- 温暖化による活動期間の長期化:マダニもノミも、暖かい時期が長くなるほど活動できる期間が延びています。
- 暖かい室内環境:暖房の効いた住まいでは、ノミは冬でも繁殖できます。屋内で越冬したノミが翌シーズンの寄生源になります。
- 環境中に潜むステージの存在:卵・幼虫・蛹は目に見えず、時期を問わず室内に残ります。予防を中断すると、そこから再発します。
- 人にもうつる感染症のリスク:SFTSのように、その子だけでなくご家族の健康にも関わる病気は、季節を問わず備えておく価値があります。
マダニ予防とSFTSについては、コラムでもより詳しくご紹介しています。
コラム:マダニ予防とSFTS|愛犬・愛猫と家族を守るためにREFERENCES
もっと詳しく知りたい方へ(参考情報)
より深く知りたい方は、公的機関・専門団体による一次情報をご覧ください。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省)— 原因・症状・致死率・動物からの感染・予防を、国の公式情報として解説。
- 犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)発生に伴う注意喚起(東京都)— 2025年、都内で初めて確認された犬のSFTS事例と、飼い主への注意点。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)|人と動物の共通感染症ガイダンス(東京都獣医師会)— 犬猫での症状や致死率、獣医療現場での注意点をまとめた専門的な解説。
Q&A
よくあるご質問
- 室内飼いの犬・猫でもノミ・マダニ予防は必要ですか?
- はい、必要です。ノミは人の衣類や靴、同居の他のペット、玄関先やベランダなどを介して室内にも持ち込まれます。マダニも散歩や、公園・緑道の草むらで咬着します。都市部でもリスクはゼロではないため、当院では室内で過ごす子にも通年の予防をおすすめしています。
- 冬の間は予防をお休みしてもよいですか?
- 通年での予防を推奨しています。暖房の効いた室内ではノミが冬でも活動・繁殖でき、マダニも温暖化で活動できる期間が長くなっています。また、寄生しているノミのうち成虫はごく一部で、残りの大半は卵・幼虫・蛹として室内環境に潜んでいます。予防を中断すると、環境中に残ったノミから再発することがあります。
- 犬用のノミ・マダニ薬を猫に使ってもよいですか?
- 絶対に使用しないでください。犬用の一部の製品に含まれるペルメトリン(ピレスロイド系)は、猫にとって強い毒性があります。猫はこの成分を代謝する能力が低いため、震え・よだれ・けいれんなどの重い中毒を起こし、命に関わることもあります。必ずその子(犬用・猫用)に合った製品を使い、投与前に担当獣医師にご相談ください。
- 予防薬にはどんな種類があり、どれを選べばよいですか?
- 大きく分けて、おやつのように食べさせる経口タイプと、背中にたらすスポットタイプがあります。効果が1か月持続するものから3か月のもの、フィラリアなど他の寄生虫も同時に予防できるものまでさまざまです。体重・年齢・犬か猫か・生活環境・皮膚の状態によって最適なお薬は変わるため、用量を含めて担当獣医師が選択します。自己判断での投与は避けてください。
- 散歩中や体にマダニを見つけたら、どうすればよいですか?
- 無理に引き抜かないでください。マダニの口器が皮膚に残って化膿・炎症を起こしたり、つぶすことで体液(病原体を含む可能性があります)が逆流して感染リスクが高まることがあります。動物病院で安全に除去できますので、そのままご来院ください。除去後も数週間は体調の変化に注意し、飼い主さまご自身が咬まれないようにもご注意ください。
- 予防薬に副作用はありますか?
- 多くの製品は安全に使えますが、まれにイソオキサゾリン系の薬でふらつき・振戦・けいれんといった神経系の反応が報告されています(FDAが2018年に注意喚起)。過去にてんかんや神経疾患のある子では、事前に必ずお知らせください。投与後に体調の変化がみられた場合は、すぐに当院へご連絡ください。
このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。
INFORMATION
受診のご案内
〒142-0064 東京都品川区旗の台4-4-19
- 東急大井町線・池上線「旗の台駅」より徒歩5分
- 東急大井町線「荏原町駅」より徒歩3分
病院前に1台分駐車できます。使用中の場合は近隣の提携パーキングをご利用ください(1時間分のサービス券をお渡ししています)。
ご予約優先制です。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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- 土曜日の午後は18:00までとなります。
- 初診は随時受け付けております。
- 往診・トリミング・麻酔処置は事前のご予約が必要です。
