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病気の概要
尿失禁は、自分の意思とは関係なく、無意識のうちに尿が漏れてしまう状態です。とくに寝ている間やリラックスしているときに、寝床が濡れるのが典型的なサインです。
「おもらし」に見えても、その子がわざとしているわけでも、しつけの問題でもありません。原因の多くは治療でよくコントロールでき、若い子では生まれつきの構造の問題が隠れていることもあります。まずは原因を見きわめることが大切です。
無意識
寝ている間・安静時に漏れるのが典型。本人は気づかない
避妊メス犬
に多い(USMI)。中〜大型犬で多くみられる
治療反応◎
多くはお薬でよくコントロールできる
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まず見分ける ―「尿失禁」か「頻尿」か「しつけ」か
似て見えても、次の3つは原因も対応もまったく異なります。この見分けが診療の出発点です。
| 尿失禁 | 頻尿・排尿痛 | 不適切な排尿(しつけ) | |
|---|---|---|---|
| 意識 | 無意識に漏れる | 本人が「したそう」にする | 意識的に別の場所でする |
| 典型 | 寝床が濡れる・安静時に漏れる | 何度も少しずつ・痛そうに力む | 特定の場所・状況でする |
| 主な背景 | 括約筋の力の低下、構造異常など | 膀胱炎・結石・膀胱の刺激など | 環境・不安・マーキングなど |
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主な原因
尿道括約筋機能不全(USMI)― もっとも多い
尿の出口を締める筋肉の力が弱まり、尿をためておけなくなる状態です。避妊手術をした中〜大型のメス犬に多く、性ホルモンの低下が関わると考えられています。避妊後、数か月〜数年たってから現れることもあります。
異所性尿管 ― 若い子の持続的な漏れ
腎臓から膀胱へ尿を運ぶ管(尿管)が、本来とは違う場所につながっている生まれつきの異常です。子犬のころからずっと漏れが続く場合に疑い、画像検査で確認します。
このほか、膀胱炎などの感染、結石、神経の障害、膀胱にたまりすぎた尿があふれる「溢流(いつりゅう)性」など、さまざまな原因があります。
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診断
ステップ1:問診・尿検査
「いつ・どんなときに漏れるか」を確認し、まず尿検査で膀胱炎などの感染がないかを調べます。感染があれば、その治療を優先します。
ステップ2:身体検査・画像検査
超音波検査などで膀胱・尿道・腎臓の状態を確認します。若い子で生まれつきの構造異常(異所性尿管など)が疑われる場合は、造影を含む詳しい画像検査を行います。
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治療 ― 原因に合わせて
- 感染が原因なら、その治療(抗菌薬など)を行います
- 異所性尿管など生まれつきの構造異常には、外科的な治療が検討されます
- 生活の工夫:漏れによる皮膚のかぶれを防ぐため、寝床を清潔に保つ・吸水シートを使うなど
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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)
より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。
- 犬と猫の排尿障害/MSD(Merck)獣医マニュアル(英語) — 蓄尿・排出の障害を分類し、原因と考え方を整理。
- 犬の尿道括約筋機能不全の管理の最新情報/Today's Veterinary Practice(英語) — もっとも多いUSMIの治療(内科・外科)を専門家向けに解説。
- 犬の尿失禁/dvm360(英語) — 原因の鑑別と診断の進め方をまとめた専門記事。

