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古谷動物病院古谷動物病院FURUYA ANIMAL CLINICご予約

FEAR AND ANXIETY

犬と猫の不安・恐怖症

雷、花火、病院。「そのうち慣れる」を待つあいだに、恐怖は育ってしまいます。

雷が鳴ると震えが止まらない、花火の夜はパニックになって家じゅうを走り回る、病院に着くと固まって動けなくなる——こうした強い恐怖は、時間が経てば慣れるというものではなく、多くの場合、年を追うごとに強くなっていきます。そして、シニアになってから急に音を怖がりだした場合には、体の痛みが隠れていることがあります。怖がりは性格ではなく、支えられる状態です。

  • 行動

この記事は 院長/獣医師 大塚 元貴 が監修しています(最終監修日:)。

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病気の概要

不安と恐怖は、本来どちらも身を守るために必要な、正常な感情です。問題になるのは、その反応が強すぎるとき、あるいは危険がない場面でも起きてしまうときです。

  • 恐怖:目の前にある具体的な脅威に対する反応(雷が鳴っている、知らない人が近づいてきた)
  • 不安:これから何か悪いことが起きるのではないか、という予期による反応(飼い主が出かける準備を始めた)
  • 恐怖症:特定の対象に対して、状況に見合わないほど極端で、繰り返し起こる恐怖反応

犬や猫がこの状態にあるとき、その子はただ怖がっているのではなく、本当に苦しんでいます。そして多くの場合、放っておいて自然によくなることはありません。

悪化する

音への恐怖は経験を重ねるごとに強まりやすい

広がる

雷だけだったものが物音全般へと広がることがある

痛みかも

シニアで急に始まった怖がりは痛みを疑う

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こんなサインはご相談ください

恐怖や不安のサインは、「震える」だけではありません。固まって動かない状態も強い恐怖の表れであり、「おとなしくしている」と誤解されやすいものです。

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シニアの「急な怖がり」は、痛みのサインかもしれません

これは、当院がとくに大切にしている視点です。

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「なだめてはいけない」は誤解です

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治療・対応

治療の土台は、安心できる環境をつくることと、怖いものに少しずつ慣らしていくことです。

安心できる隠れ場所をつくる

その子が自分で入っていける、囲われた静かな場所を用意します。窓から離れた部屋、厚手のカーテン、音楽やテレビで音をやわらげる工夫も助けになります。大切なのは、その子が自分の意思で出入りできることです。閉じ込めてはいけません。

少しずつ慣らす(脱感作・拮抗条件付け)

怖い刺激を、その子が平気でいられるごく弱いレベルから始め、良いこと(おやつ・遊び)と結びつけながら、少しずつ強くしていきます。音への恐怖では録音を使う方法もあります。焦って強い刺激に晒すことは逆効果です。

必要に応じてお薬を

恐怖が強くパニックに近い子では、まず気持ちを落ち着けなければ何も学べません。日常的に使うものと、花火大会のように日付がわかっている日に向けて使うものがあります。使用の可否やお薬は、その子の状態をみて担当獣医師が判断します。

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来院そのものが怖い子のために

病院が苦手な子は、たくさんいます。私たちにとって、それは「困った子」ではなく、私たちが工夫すべきことだと考えています。

  1. ステップ1キャリーバッグを「怖い合図」にしない

    とくに猫では、キャリーを普段から部屋に出しておき、中で食事をとったり昼寝をしたりできるようにしておくと、来院時の負担が大きく変わります。出かける直前に押し込むのではなく、日常の一部にしておくことがコツです。

  2. ステップ2来院前に教えてください

    「病院が苦手です」「前回パニックになりました」と、ご予約やお電話の際にお伝えください。診察の順番や進め方を調整できます。伝えていただくことは、その子を守ることにつながります。

  3. ステップ3待ち方を工夫する

    待合室の刺激が強い子には、車内でお待ちいただいてお呼びするなどの調整をご相談いただけます。猫では、キャリーにタオルをかけて視界を遮るだけでも落ち着くことがあります。

  4. ステップ4必要なら事前にお薬を

    恐怖がとても強い子では、来院前に不安をやわらげるお薬を使うという選択肢があります。無理に押さえつけて診察する経験を重ねるより、その子にとってはるかに負担が少なく、結果として正確な診察にもつながります。

怖がりは、その子の性格の欠点ではありません。そして、ご家族の育て方のせいでもありません。適切に手を打てば、その子が過ごしやすくなる余地は必ずあります。当院はまず体の状態を確かめ、必要に応じて行動学に精通した獣医師のオンライン診療と連携しながら、その子とご家族が穏やかに過ごせる方法を一緒に組み立てます。

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さらに詳しく知りたい方へ(参考リンク)

より深く知りたい方のために、当院が診療の拠りどころとしている信頼できる情報源をご紹介します。外部サイトへ移動し、専門的な内容や英語のページを含みます。気になる点は、遠慮なく担当獣医師におたずねください。

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Q&A

よくあるご質問

怖がっているとき、なだめると「怖がり癖」がつくと聞きました。無視すべきですか。
これはとてもよくある誤解です。恐怖は「良いことがあったから増える」という性質のものではありません。震えている子をなでたり、そばにいてあげたりすることで、恐怖が強まるわけではないのです。むしろ、怖がっているときに頼れる存在がそばにいることは、その子にとって支えになります。ただし、ご家族自身が慌てたり、大きな声を出したり、無理に抱き上げて逃げ場を奪ったりすると、かえって不安を強めることがあります。落ち着いた態度で、その子が隠れたい場所に隠れられるようにしてあげてください。「なだめてはいけない」ではなく、「慌てないでそばにいる」が正解です。
雷や花火を怖がります。そのうち慣れますか。
残念ながら、自然に慣れることはあまり期待できません。むしろ、経験を重ねるごとに悪化していくことが多いのが音への恐怖の特徴です。また、最初は雷だけだったものが、雨音・風の音・物音全般へと広がっていくこともあります。だからこそ、軽いうちに手を打つことに意味があります。花火大会や雷の季節がわかっている場合は、その前の落ち着いている時期にご相談いただくのが理想的です。当日になってからできることは限られますが、事前に準備しておけば、環境の工夫や必要に応じたお薬で、その子の負担を大きく減らせます。
高齢になってから急に音を怖がるようになりました。年のせいですか。
「年のせい」で片づけないほうがよい変化です。シニアになってから音への過敏が出てきた場合、体の痛みが関わっている可能性が指摘されています。ある研究では、筋骨格系の痛みを抱えた犬は、痛みのない犬より約4年遅い年齢で音への過敏を発症する傾向が報告されました。音に驚いて体をこわばらせることが、すでに痛む関節や筋肉に負担をかけ、その場所への苦手意識につながるのではないかと考えられています。この研究は20頭を対象とした小規模なものですが、シニアの新しい怖がりを見たときに痛みを確かめる根拠にはなります。当院は整形外科・神経科を得意としており、この視点での評価を大切にしています。
病院に来ると固まってしまいます。何かできることはありますか。
はい、いくつもあります。まず、来院前にできることとして、キャリーバッグを普段から部屋に出しておき、中で食事をとるなどして「怖い場所へ行く合図」ではなくしておく方法があります(とくに猫で効果的です)。空腹気味で来ていただくと、おやつを使った対応がしやすくなります。また、待合室が苦手な子は、車内でお待ちいただいてお呼びするといった調整も可能です。恐怖がとても強い子では、来院前に不安をやわらげるお薬を使う方法もあります。「うちの子は病院が苦手で」と、受付や電話の際に遠慮なくお伝えください。伝えていただけると、こちらも準備ができます。
お薬を使わないと治りませんか。
お薬なしで改善する子もたくさんいます。治療の土台は、その子が安心できる環境を整えることと、怖いものに少しずつ慣らしていく取り組みです。ただし、恐怖がとても強い子の場合、パニックに近い状態では何も学べません。人間でも、極度に怖い状況では冷静に考えられないのと同じです。お薬は、その子が「学べる状態」まで気持ちを落ち着けるための助けです。性格を変えたり、眠らせたりするものではありません。また、花火大会のように日付がわかっているイベントに向けて、その日だけ使うという方法もあります。使うかどうかは、その子の状態とご家族のお考えをふまえて一緒に決めます。

このページは一般的な情報提供を目的としています。実際の診断・治療方針は その子の状態によって異なります。個別の症状や薬の使い方については、 自己判断せず担当獣医師にご相談ください。