7月12日は、当院の創立記念日でした。
一人で始めた小さな病院でしたが、多くの方に支えられて30周年を迎えることができました。これからも皆さまの大切なペットが健康に暮らせますようホームドクターとして最善を尽くしてまいります。(2015年7月12日)
ペットと海外渡航(海外赴任、海外旅行)
ペットと一緒に海外へ行かれる飼い主様へ
ペットを海外へ連れて行くためには、私たちと同じように出国・入国審査があります(輸出・輸入検疫)。この審査を動物検疫と呼んでいます。ペットには、パスポートこそありませんが、ペットの愛称ではなく、マイクロチップのID番号で個体識別されます。
当院では、ペットと飼い主様が無事に目的国に入国できるよう検疫書類の作成をしております。動物検疫の方法とそれに必要な書類は渡航国によってさまざまです。ここでは、日本出国から渡航国への入国までの基本的な手順を簡単に説明します。
- 渡航先の入国(輸入)条件の確認と検疫書類の入手(渡航国の在日大使館のホームページか検疫当局のホームページで確認できます。検疫制度自体がない国もあります。)
- マイクロチップの装着
- 狂犬病の予防注射(複数回)
- 狂犬病ウィルスに対する抗体価測定
- 混合ワクチンの接種(任意)
- 出国検疫(輸出検査)の事前連絡(出発空港の動物検疫所)
- 出国10日以内の開業獣医師による健康証明書の発行
- 出国検疫(輸出検査)
渡航先の検疫制度により必ずしも狂犬病の予防注射や抗体価測定は必要ありません。しかし、短期でも長期でも日本に帰国する予定がある場合には、予防注射と抗体価検査をすることをお勧めいたします。なぜなら、農林水産大臣が指定する地域以外からの日本への帰国(輸入)には、抗体価検査のための採血日から滞在国での180日間の待機があり、すぐには帰国できないからです。一定の条件を満たしていれば、滞在国での待機が不要で帰国が可能です。
詳しい検疫制度については、下記のリンクをご参照ください。
Link
日本:
農林水産省 動物検疫所 ペットの輸出入
農林水産省 動物検疫所 犬、猫の旅行・短期滞在編
渡航国:
アメリカ大使館
イギリス大使館
オランダ大使館
ドイツ大使館
フランス大使館
オーストラリア大使館
ニュージーランド大使館
スペイン大使館
スウェーデン大使館
デンマーク大使館(PDF)
ペットドックについて
当院では、大切な家族の健康を守るため、ペットドック(スクリーニング検査)を実施しています。動物も人間同様多くの病気にかかります。しかし、動物たちは、病状を自分で伝えることができないため、飼い主様が症状に気が付いた時には、すでに病気が進行していることがほとんどです。そのような病気も早期に発見して治療を行えば治ることがあります。また治らなくても病気の進行を遅らせ、苦痛を軽減できる場合もあります。
ペットドックでは、複数の検査を同時に行うことで、多くの病気の早期発見につながり、さらに健康時のデータを毎年更新することで、今後の病気の予防も可能となります。
動物たちが健康に生活できるよう、スタッフ一同全力でサポートさせていただきます。
ペットドックは予約制となっていますので、事前にご連絡をお願いいたします。
ペットドックの内容(費用 16,000円+税)
- 一般診察
- 血液検査(血算+生化学16項目)
- レントゲン検査(胸部)
- 超音波検査(腹部)
- 眼底検査
- 尿検査 糞便検査
*上記以外の検査費用は別途となります。
マイクロチップをご存知ですか
マイクロチップは動物の固体識別のために犬・猫では頚部の皮下に1cmほどのチップを注射器で挿入します。動物が万が一失踪して、動物病院や収容施設に連れてこられた時、その動物にマイクロチップが入っていれば、すぐに飼い主様に連絡することができます。また地震など災害時にもマイクロチップは有用です。
マイクロチップを挿入するには手術が必要だと勘違いされている方が多いようですが、ワクチン接種時のように一瞬の注射で終わりますし、動物にもダメージはありません。
最近は動物を一緒に連れて海外赴任される方が多くなりましたが、検疫のためマイクロチップを挿入してから数回の狂犬病予防接種と血清抗体価の測定を義務づけている国がほとんどです。渡航予定のある方は早めに準備をしなくてはなりませんので事前にお尋ねください。